このサイト、backdoor・8/23のポストに続編、と言うかちょっと加えてトピックスで。
彼自身がインスタで発信しているのをご覧になっている方もいるでしょう。ちょいちょいMALIBU CHIPのスタディを積み上げていますね。
いつものように彼は私にも写真やビデオに添えていろいろなリポートを送ってくれます。
backdoorでもお伝えしたように、私自身が歴史上のいろいろなサーフボードデザインへの関心に取り憑かれて?いるようなものなので、今回の彼のCHIP研究が面白くてたまらない。
今日のここでは短い動画クリップもご覧いただいてますが、CHIPの波乗りはサーフィンの根源的な要素である滑走とトリムに集約する。
もちろんポジション移動のためのターンは、おそらく最小限に繰り出されるし、トリムにはライン調整などが含まれる。
240928_CHIP_1.mov
240928_CHIP_2.mov
240928_CHIP_3.mp4
で、ご覧いただいて分かるように、このような波乗りは現在の他のいろいろなサーフボードデザインでも当然ながら可能だし、たとえばそれらはグライダー・カテゴリーなどで今ではだんだんと楽しまれるようになってる。
トリスタンのCHIPスタディにおける肝心なポイントは、40年代から50年代に多く棲息したCHIPが今の基準で見ればそのような波乗りアプローチがデザイン性そのものだったことと、その純度を今トリスタンが獲得しているデザイン性とテックを用いて再現してサーフすると言うところ。
実はその行為の中にはある種のレトロスペクティブ、懐古的アプローチそのものを楽しむ態度も含まれてはいるのだけれど、それは間違ってもファッション的な仕掛けマインドとは違う。
それは例えば、古い音楽を古い楽器そのもの演奏して楽しむ(例えエレクトリックだとしても)とか、古いクルマやモータサイクルそのものを走らせて楽しむ・遊ぶといったことにも近いかもしれない。
その行為そのものが波乗りの楽しさであり、なおかつトリスタンにとっては彼の専業とするディスプレイスメント・ハルのデザインエレメントに、多大でしかも実行しなければ得難いフィードバックでもある。
backdoorでも書いたけれど、トリスタンは彼のCHIPにVELZY CHIPのフィンテンプレートを使うことを希望して、そこからも成果を積み上げています。
面白いことに彼の地元周辺では、すでにトリスタンが削るMALIBU CHIPのオーダーが届いている。
そういうとこ、面白いね、ビアリッツは。何かよくあるように、これがこれから流行るぞ、とか、これが流行ってるみたいよ、のように飛びつくのじゃ無い。
わかりやすい面を言えば、ビアリッツ界隈のサーファーはネタ元見え見えの(世界的には主にカリフォルニア発ということになるけど)ファッションを纏っているようなのはあんまり見ない。
アイテムでも色でも雰囲気でも、なんか流行りの店でピックしてきたようなのを着てないサーファーが多い。
自分でこれがいいや、としたものを、それがマイナーでもピックする。
雑誌で、なんちゃらスタイルみたいにカタログされてるなんて、無いでしょ、まず。
元々、そういう感覚と目だから分かりやすく紹介されてるもの以外にこそ、ほんとにヤバいものがあることを知ってる。
波乗りも同じ。
このような板のサーフデザインを好むサーファーは、それぞれのスタイルがあるもの。
Anything but 3 だけどね。