ベージュの板には、デザイン・シェイプからまとう色の雰囲気にも製作者ジャック・デルレニーそのものが表れてます。
スタートtoフィニッシュ、デザインしてシェイプして巻いて仕上げて、全部を自分一人でやるからもろに表れる。

もう一つ、彼の板に乗っても触ってもとても楽しいのは、そのデザインやシェイプから乗り味まで歴史のどこかで体験のあるディテールなんかを感じさせるんだけど、いかにも狙ってレトロなんていうズレた商品化と無縁。

２０代になったばかりの彼はサーフボードの歴史の中で生み出された多くのサーフボード、それは約６０年分のいろいろなんだけど、そういうものがAUSでも歴史の詰まった地元にゴロゴロしてるから区別なく触って波乗りして自分の発想とデザインに取り込むからタイムレスなデザイン・シェイプが生まれる。

波乗りセンスよく上手くて、ルックスよくて、サーフボード造りにすごくとエネルギーあって、人柄ソフトで芯があって、そんだけいい感じなのに自己プロデュースをコマーシャル指向するマインドじゃない。
ビジネスまで含めて、オーガニックちゅうのはこれか、と。


それがジャックのベージュがコアな彼の地元文化の中で、若い奴から大人たちにまでサポートされてる理由じゃないかしら。

ところで写真のクルマ、ボルボの７０〜８０年代あたりのやつだけど、クーペってとこがいいじゃないの。
板、持って歩くにはキャリア着けてさ。

時々話題になるんだけど、前はサーファーがちょいと古くて軽くダサいクルマで流すってのが湘南ではよく見られたもんだけど、ここ１５年の湘南はステキにしてるのにお金かかって遊ぶ気分と一緒に消えた説。
その代わり、っていうことでもないだろうけど、そういう抜けた遊びは都会から離れたエリアに。いい感じ。
どうする、湘南。

そういや私もここ５年ばかりは、とぼけたクルマが手元から失せて、妙な自己危機感はそれか、と変に納得。
いつもなんか探してるもんなあ。
やめたフリしてるだけにしちゃおうかなあ。