フィッシュ・ネタ、今日の2
2017.05.21

PAVEL 6'9" RASCALです。

こちらも今週同じくやっとこさ、2度目のお伴に連れ出しました。
0521_69RCL.jpg
なにしろ私自身が波乗り不足のドツボ状態から抜け出したところなので、その間にでき上がっていた板達を順にワックスアップしながらチェックです。

あらためてパドルすると、やはりエラく楽チンです。この日の小さめの波にもテイクオフは文句無しで、これでこういう波の時用のテイクオフでパドルの乗り位置を修正すれば良し、と。
なんたってものモデル、6'台から7'台前半までのレンジで、とても広い幅を与えているにもかかわらず、その幅とボリュームをまったく感じさせないスムースで速いボトムとフォイルを持たせたというコンセプト。

そこにもってきて、"PAVEL FISH"です、ただ者であるはずがありません。
そこはまた、もうちょいいい波で。

一つ発見、というか確認できたのは、"フィン"です。
すべてのサーフボードにとってフィンはただの取り付けパーツではなく、板そのものの一部です。
いろいろなマテリアルとテンプレートがありますが、リッチさんも強調するように、"フォイルが良くなればいけない"、と。

その上でマテリアルの持つ性格とカタチとのフィットが働きます。
例えばフィッシュでも、フィンのマテリアルはプライウッドにもグラスにもそれぞれの特長があります。
ちょいと脱線です。つい先日紹介したニューDVD "FISH"の中でもその事は強調されていますが、プライウッドのキールフィンを持つフィッシュのマニューバー性を求めて分割化したリッチ・バベルのクアッドに発展しましたが、一方でキールフィンの持つカーブ特性とドライブ性の特長というポイントがあるわけです。

そこでリッチが山王製作のPAVELのためにこだわって開発しているのが、特別なプロセスと超細密フォイルで造り上げるグラスフィンです。
キールフィンの特長にプラス、良いフォイルをほどこしたプライウッドのキールでは得にくいフレックス特性を組み合わせています。
それによってキールフィンの特性をキープしたまま、マニューバー性を大きく向上させています。

今までにもグラスのキールフィンは多く存在しますが、シックネスのレシオと先進の細密フォイルを突き詰めたものとなると?、という状況もありました。
PAVEL 山王では1本の板ごとに完全なワンオフ製作するという贅沢な製作システムです。

そこでリッチの友人のチャック・エイムス(TRUE AMES社の親方ですね)さんは彼のプロダクション・モデルの中でもリッチのノウハウとデザインを反映したグラスフィンの開発・生産に乗り出しました。
このシリーズができ上がるとユーザーやサーフボード製作者に広くリッチの特別なフィンが提供されることになります。

0521_TA_SD_1.jpg
そのシリーズにはグラスオン用のキールフィンだけでなく、FUTUREやFCS用のスピードダイアラー・クアッドフィンのシリーズも加わります。


0521_69RCL_FIN.jpg
ここで話は戻るんですがリッチは私のRASCALに、チャックさんが製作した出来立てほやほやプロダクション・レベルのTRUE AMES製・パベル・グラス・キールフィンをグラスオンしてね、と。
で、さすがリッチさん!
これがもう、ものすごくしなやかでなめらかな感触。弧の大きさが小さいターンでも、深く回すとよく分かる。
ターンが固くなくて、フィンとテールを十分に感じながら深く回して板が止まらない。
バックサイドも今までより楽しみになります。そっち、あんまり積極的じゃないもんでね、私。

こりゃいい波が楽しみです。