


いよいよ巻き始めます、ダブル・ラスカルの12フッター! リッチ・パベル昨年の山王来日シェイプ分もついに最終バッチのグラスに到達します!
このモデル、以前ワンオフでデザイン・シェイプされたダブル・ラスカル11フッターの最大サイズの限定シェイプの2本です。
この2本、長さが実際には12弱、リッチがこの12フッター・プロジェクトのためにブランクスと対話して、テンプレートづくりから始めて最も気に入ったアウトラインを1本づつ求めてシェイプされました。
ダブル・ラスカル、実は私のリクエストでリッチがそれまでのどんなビッグボードとも違うデザインをクリエイトして出来上がった板です。
ですからこのようなビッグボード・クラスのフィッシュとして括られるデザイン・シェイプとは違います。
このモデルに求められたのは、プレーニングのキャラクターはオリジナル・シモンズなどにも見られる、そしてその後のディスプレイスメント・ハルにも繋がるボトム・デザインを磨き上げたコンセプトがベース。
そこに組み合わせるテールエリアのキャラクターは、一般的にはビッグボード・フィッシュでは求め難いくらいのポジティブなターンと回転性。
そのためにデザインしたのは、私たちがバックフット・チャインと名付けたテールエリアのボトムデザイン。
写真で分かるようにやや深めで狭めのダブルコンケーブ、その両脇に施されたチャインとコンケーブ。この両脇の元パネルはボード前半部からのベベルパネルから導かれています。
PAVELボードの中でチャインと言えばイージーワイダーが知られています。
以前にも紹介したことがある話ですが、チャインそのものは70年代のシングルフィンにごく一部で用いられた発想とデザインで、リッチはそのようなサーフボード・デザイン史上の過去の発想・デザインの膨大な引き出しを持っている中から驚くべきデザイン力で進化させたものを繰り出します。
イージーワイダーのチャインはアップのターン時には素晴らしいリフト(速さも動き量も)を生んで、大きな孤のカットバックなどではターン孤の先へ先へと積極的に回り込む速い深廻りをブーストします。
このチャインの物理性はそのパート/エリアがターン操作によって、つまり積極的に使われる時に水流に対してとても強い低圧を生みます。
つまり水の流れ方向には流れを速く、横方向のベクトルにも同時に速く軽い動きも作ることになります。
これをバックフット・チャインにおいて見てみると、ターン時にはフィンよりも外側エリアが特に強い回転性を作るわけです。
11や12フッターのようなビッグボードでは、例えばずっと短い板のようなとてもクイックな動き・ターンは求めません。また強引な速さでの操作は無惨なだけ。
ただし、そのターンがずっと軽い力で、しかもより深く回す操作がより速さと板そのものの速さが加わればどうでしょう。
そのようなビッグボードは今までにはなかったものです。
リッチがボード前部のボトムにベリー系のデザインを選んだ理由。
冒頭で話した一般的な(というほど多くはないけれど)ビッグボード・フィッシュに括られないの意味もここ。
つまり、このボトムデザインを利用するペネトレーションによる滑走スピードの優位性。
ダブル・ラスカル、つまり全く新しいビッグボード。
そしてデュアル・キールのフィンセットアップ、もちろんリッチ・パベルによるダブル・ラスカル専用デザイン。
言うまでもなく、この板に施されている各部のデザイン・シェイプはリッチが"ノーイヤー"と呼ぶアウトラインはもちろん、ロッカー・フォイル・ボトムデザイン・レールデザインとの超高度で究極の調和によって命を持ちます。
製作進行、出来上がりをどうぞお楽しみに!
