Fantastic Acid, V-Bottom
2024.11.20

241106_80VB_1.jpg8'0" V-Bttom / stock


今日のトピックは、Vボトム!
 ファンタスティック・アシッドのピュア・ハル系モデルのラウンデッド・ハルやスピード・ハルなど代表的なモデルたちに比べて、特化した個性を持つモデルだけに関心を持つサーファーの目線もちょいと斜め。

74RDH.jpg7'4" Roubded Hull / stock


80SPDH.jpg8'0" Speed Hull / stock


そういうモデルだけれど、実はアシッドを扱う私たちから見ても思った以上に手にするサーファーはいて、そういうこの板を手にしたりオーダーしたりするサーファーは斜め目線どころかニコニコの真っ直ぐ目線でやってくる。

ちょうど先日、数年前にこの板を手にしたあるサーファーが、久しぶりに引っ張り出したんだけど最高に楽しかったです!、から始まる話を聞かせてくれました。
テイクオフは超早いし、ものすごく深く回るクイックで大胆なターンで楽しくってしようがない!
しかもターンからの伸びとリフトはやっぱりハルなんですよね!、と。

これでだいたい、この板のキャラは説明されちゃったようなものだけどそれだけじゃ足りないので、よくショップにこの板を見にきてくれるみなさんの???についてお話ししましょう。

このモデル、V-Bottom / Vボトムは1960年代の終わりに現れたボブ・マクタビッシュによる同名のモデルに先祖を求めることができる。
それは常識を超える動きやターンで瞬く間に当時の主だったシーンに広がったのだが、当時はその後にトップサーファーたちが指向するビッグウェイブでの、このモデルのあまりにトリッキーなターンがもてあまされて間も無くそのムーブメントは収束した。

ファンタスティック・アシッドのトリスタンはそのトリッキーな動き・ターンとディスプレイスメント・ハルの融合をデザインしました、それも完全でポジティブな。

アシッドのVボトム、弾丸のようなアウトラインを持ち、ボードの前半はボトムにディープなベリー、後半にかけては滑らかに、しかし大胆に変化するディープなV状のパネルを持つ。

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これが波乗りのどういう動きに化けるかというと、ボード前半は超ポジティブな回転への導入を作り出す。
ハル・レールの波のサーフェイスへのペネトレーションもさらにそれを強調する。
そう言うとほとんどボード前半から波にダイブするような画を思い浮かべるかもしれないけれど、ある意味それはそういう要素とも言えて、この板で最初のターンを起動するとサーファーはそのまま波に刺さるかのような感覚に襲われるかもしれない。

それでも、ターンの基本通りにサーファーは前足のレールを波の面に入れる動作から始めるのは正しくて、Vボトムはターンの後半動作ではそのターンの軌道や大きさにそった強さと速さで後ろ足を押し出せば(波に押し込む)良い。
もちろんそこでは前足にかけていた力と体重の中心を後ろ足にスムースに配分してやるのだが、それもあまり大げさな体重移動の必要は無い。
おそらくそれは想像するよりも狭めのスタンスですら済んでしまう。

このターンのメカニズムをデザイン上で説明しましょう。
トリスタンや私たちがピュアハルと呼ぶ、つまり通常のディスプレイスメント・ハルではアウトラインは別としてターン前半におけるボード前半の動性は基本的に同じ。

ターン後半でのピュア・ハルは、フィンにかかる水の力によるフレックスとフィンに接続するテールエリアがツイスト(ねじれ)し、薄めにフォイルされキックのないローロッカーのテールボトムのフラットパネルにかかる水の力によるフレックスする両方(ねじれとたわみ)の動的形状効果が起きる。

そのターンをリリースするとそれらのテールエリアにかかっていた力と動的形状変化が一気に元に戻り、その際にバネが戻るようなスナップによって魚のヒレのように水を蹴るパワーが発生する。

その際のボード前半のボトムのベリーはそれまでかき分けて押し出していた水が、その量が多い分だけボードをリフトするパワーに変わり、ターン前半で敏感に水に食い込んでいたレールが今度はターン後半の軌道に向かって吸い込まれるようにリフト、つまりそれもペネトレーション。

途中まで説明していたようにVボトムはターン前半のメカニズムは基本的に同じでありながら、ターン後半のボードそのものに生じる動的形状変化の代わりに、あらかじめストリンガーを境に深いV状に寝ていたパネルそのものとテールのキックを3Dに例えればピュア・ハルのテールの動的形状変化と同じような水に対するメカニズムとなるワケ。

そして同時にピュア・ハルで生じる水に対するスナップのパワーの代わりに、Vボトムでは大きなテールとディープなVEEが持つ必然的なテールエリアのボリュームが押しのけた水による浮力の押し戻しパワーとなり、またターン前半同様にボード前半部の強力なペネトレーションが軌道に対してフリーリフトとスピードを生むという仕掛け。

その一連のサーファーの操作に対するボードの反応の敏感な感触と速さ、そして板の動きの量の大きさの合計はとっても盛大。
それは決してドタバタしたものではなくて、乗り手が慣れればむしろその動きの量にしてはサーファーの軽い力と小さな動きでダイナミクスとコントラストのあるカーブたっぷりな波乗り。

つまり、ディスプレイスメント・ハルの濃いフィーリングを喜ぶサーファーには、このモデルは最高のオプションの一つ。

オーダーできるサイズレンジもとても広くて、6台の短めから7〜8のミッドレンジ、9前後から11フッターまで。

*ここで紹介した写真のVボトムは、ストックの8'0"です。

241106_80VB_2.jpg


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