PAVEL, New Otter Channel Twin / ニューオッター・チャンネル・ツイン
いつも突っ込んだ詳しいことを相談していただく南の島のサーファー・Hさん、板についての詳しい質問・ご相談については私と直接リレーションしてもらって、オーダーいただいた板は地元のディーラーさんを通じてお届けしています。
実際の波乗りもディテールを含めてリポートしてくれますが、今回は特にフィンの選択(FUTUREプラグ仕様でしたので)について板を下ろした当初つまづいてお悩みを伝えてこられた。で、ガイドさせていただいてブレイクスルーに至ったという変則的な流れは、この板に限らず皆さんにも参考にしていただけるかもということで、そこも含めて紹介しましょう。
その前に、くどいようでもお伝えしたいことがあります。
フィンは例えわずかな違いでも、それぞれのみなさんの波乗りが大きく変わります。良し悪し、つまりピンキリというだけでなく板をガラリと変えてしまうのです。こりゃもうフィンの数や板の長さに関係ありません。
良い板であればあるほど、デカく違う。
ピンキリ、で最も注意したいのはテンプレート・形が一緒でも、フォイルの良し悪しでカタチが働きもすればただの竿にもなってしまうというところ。
次にフォイルが合格として、形とサイズが似たようなヤツ、だとしてもそのフィンが良いものであればあるほど少しの形とサイズの違いで板も変えれば波乗りの感触も変える。
フィンはパーツと捉えられがちだけど、ノンノン、板の一部というだけでなく、むしろそのもの。
例えば今日の話はちょいとつまんで言えばチャンネルがらみの話題だけど、それだけでこんだけ騒ぎになるんだからフィンも当たり前。
フィンは板そのものと同じように、形とフォイル、どちらも良いものを求めるのが吉。そして性格の違いをチェック。
さてHさんのケースを紹介しましょう。
彼の元に板が届いてしばらくした頃、メールが届きました。来た来た、と思って読んでみると波乗りが全然調子良くない、フィンもいくつか試してみたけどダメで悩んでいる様子。
そのメールによると2ラウンド、フィンを変えてやってみたけど苦戦している、と。そのフィンは最初は大きめのキール系、2回目は小さめのキール系、つまりどっちもキール系。
またそのリポートが悲惨で、しかしそもそもこの板にキール系は製作側としては全く想定外。なんですが、これはHさんにも話したけど、どんな板にどんなフィンの組み合わせでもそれが調子いい・好きと言われればこりゃもうそれはそれ、という一面もあるにはあるんですが。
だけど、このケースでは、そりゃ調子悪いでしょう、なので遠慮なくこの板のデザイン・シェイプとフィンの関係性と作り手側のお勧めをガイドしました。
Hさん、今までにもたくさんお話ししていて、そういうことについちゃあもともと遠慮はかえって失礼。
Hさん、とりあえず手持ちの色々なフィンの中から、ご本人も言うように暫定的に似てると思われるものをセットして波乗り。
結果、板も波乗りもまるで別物、と。
そのメールが以下。ちなみにご本人が言う、リアフィン、はメインフィン(ツインザーセットなので)の事。
231126_HIGA.mov
<アドバイスありがとうございました!
といった内容。めでたしめでたし、です。
これ、私がエラいの自慢ではなくてね、うんとたくさん知ってるからです。自分達じゃ勉強してるとは言わないんですが、結果勉強になっちゃってる事が積み上がってしまったのでガイドさせていただけています。
私は何せ波乗りと板のデザインの関係が面白くて仕方ないのが、飽きもせずにもう何十年にもなりまして、特にエムズが預かる板達の製作者達には今でもたくさんの教えを受けてメモリーは膨れ上がったわけです。
ですので、もろもろの紹介やガイドの中身、皆さんの役に立てばありがたい。
ちなみにHさんのメールにある、"巷で蔓延する?チャンネルボトムのネガな部分"、の一節に面白いことが隠れてます。
てのは、どんなに良い板でも、仮にそれがサーフデザインと波のターゲットがかなり絞り込まれているものは、そのターゲットから結構外れている場合は、これはデザインのネガではなく単におよしなさいの話。
一方で、こういうのが一番多いんだけど、特にチャンネルのようにダイナイックなイフェクトを発揮する装置は何かの拍子にマーケットで流行らされると、うわべの見た目が分かりやすいもんだから多くのビルダーがドッと乗ってきます。
しかし、そのイフェクトとボードデザインの的がちゃんとあって、なおかつボーデザインとの調和が試されるところです。
近年では、フィッシュもシモンズもそうで、流行ってドッと出てきても、うわべはうわべだから増えれば増えただけ出来が良いものには当たらないから、そうじゃないもの方が評価として蔓延しやすい。
巷で蔓延する、はそういうものが生み出しています。
ネットの中に展開する典型的な伝言ゲームみたいな話はボリュームがあればあるほど、インフルエンサー志望的言いたがり発信源などは???なのは、そっちの方でモメてる通り。
リッチ・パベルのボーデザイン全般の話でもありますが、チャンネルも4本6本みたいなことじゃなくて、その立体的形状構成に様々なものがあります。
メール中にもあるクリンカー・チャンネルはニューオッター・チャンネルとも違うデザイン・フェイズです。
私たちはインフルエンサーでも無し、大手でも無し、ですけれど、普通に楽にアクセスしていただけばお役に立てると思います。
私たちが提供させてもらっているものの中には、調べただけじゃ出てこないことや選択肢もたくさん含まれています。
ぜひどうぞ。