トーマス・ロダンのインスタから
2022.12.21

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この板のこと、以前も紹介しました。

 つい先日、トリスタンの友人で私も交流のあるフォトグ、トーマス・ロダンが彼のインスタにこの板について紹介したポストを彼の写真と一緒にここでもう一度。
そこでの話は前にここで紹介したのですが、撮った当人の写真で流れを見ながらもう一度紹介したいと思います。
トリスタン自身によるV-BOTTOMの波乗り、ページ最下部でご覧くださいね。

ファンタスティック・アシッドのV-BOTTOMはここでも取り上げることが多い板で、私自身も衝撃を受けている板でもあってそのインパクトとサーフィンの独自性をお伝えしているつもりですが、先日のトーマスのポストを見たらそれでも伝え足りない気がしてしまいました。
そのくらい面白いサーフィンなんです。

ではまず、そのトーマスのポストにもあるトリスタンの話を。
"あの時代のほとんどのシェイパーにとってVボトムは調子の良くない失敗作みたいなものだったんだ。僕にとってはあの刺激的なレールtoレールの感触はそれまでにないものだったけどね。こういったデザインのサーフボードで波乗りすることは、その時代が何を求めていたのかを感じる。それまでのサーフィンと、それからのサーフィンをね"

ここでひとつ補足しておくと、当時失敗作のように扱われるようになった流れと理由。
ボブ・マクタビッシュのデザイン・シェイプとナット・ヤングらの大胆なターンによるサーフィンでオリジナル・V-BOTTOMは脚光を浴びて、ほどなくこのデザインはシーンを駆け回ることになったわけですが、ひとつはハワイなどのビッグサーフではそのあまりのポジティブな回転性コントロールが困難だったこと。
もうひとつ、上でトリスタンが言うように当時を基点として過去と近未来のサーフィンを見ると、その時代はパフォーマンス性における技術的蓄積と共有は現在のアベレージとは随分と違う。
ですから現在ではアベレージ・サーファーであってもV-BOTTOMの刺激的なターン性は独自性が高くても、その感触を好むサーファーであればむしろ他のデザインにない楽しさとして積極的に受け入れられる。という違い。


以前にも紹介しましたがこのプロジェクトのV-BOTTOMは、アシッドのレギュラーモデルから枝分かれしたバリエーションです。
サイズとパワーのある波のドロップとホールドを求めて、ボードセンターパートのボトムにティアドロップ・シェイプのフラットパネルを施すというデザイン。
それはそのまま、カリフォルニアでのシェイピングツアー中のトリスタンが、友人が所有するホビー、コーキー・キャロル・スーパーミニモデルを見たことでインスピレーションになったわけです。

トリスタン、いっつも私はとんでもないイメージ・デザイン・シェイプそれぞれの才能に驚かされますが、アートワークにもホントに洒落たものを持っていて、この板には1966・サーフィン・イヤーブックの中にあるコーキー・キャロルのVボトムサーフィンでの紹介記事ページを切り抜いてそのままラミネートしちゃった。
こういう仕業からは、トリスタンの(特にスペシャルな板だけでなく)1本の板に込める意思やエネルギーを感じさせます。

結局、このバリエーション・モデルはレギュラー・モデルに加えることになりました。
何でか、と言うと、サイズやパワーのある波だけでなく普通のそれも小さい波でもV-BOTTOMの刺激的なターンが楽しめて、レギュラー・モデルとはまた違うメリハリ系に寄ったコントロール性を持つバリエーションとしてV-BOTTOMはふたつの選択肢から選べるようになったわけです。

Instagram @thomaslidin

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