山王ファクトリーの、エポキシグラッシング
2022.10.27

今日は山王ファクトリーのエポキシグラスのずば抜けたクオリティについてお話しします。
ちなみにこの板、Ola de Oro SIM, MID ZINGER

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 現在、EPSフォーム・ブランクスはウレタンフォーム・ブランクスと共にシーンに完全に定着しています。
EPSフォームをサーフボード・ブランクスとして利用する最初の試み、実はかなり古くて、それこそボブ・シモンズもトライしていた記録が写真と共に残っています。
1950年代の終わり頃からウレタンフォームの開発と利用へのシフトが始まると、60年代初頭からはそれ以前までポピュラーだったバルサウッドに代わってほとんどのサーフボードがウレタン・ブランクスの時代が始まりました。

その後はサーフボード専用に開発の進むウレタンフォーム・ブランクスとポリエステルレジンの進化によって、EPSフォーム x エポキシレジンによるサーフボード製作はほぼ姿をきしていました。
意外なことに、80年代のとても短い期間ではありましたがEPS x エポキシを採用したサーフボードは日本のあるメーカーによってトライ・開発が着手されましたが、そのマテリアル(レジンを含む)や製作プロセスの技術的な障害が多くフェイドアウトしました。

サーフボード・ブランクスの歴史において圧倒的な業績・実績を残したクラークフォームが突然会社を廃業したことを契機に、それまでサーフボード・ブランクス事業関連についていた人々を中心に多くのメーカーが活動を始めましたが、現在はやはりサーフボード作りの歴史と共に積み上げてきたノウハウを持つ人々によるUSブランクスをはじめとするリアルなクオリティに達した数少ない数社がサーフボード作りを支えています。

そしてEPSフォーム・ブランクスも、同じくそのサーフボード・ブランクス危機を契機に大きく発展しました。それはウレタンフォームはもちろん、危機直後の"とにかくブランクスが無い・足りない"状況がきっかけです。
一方でEPSフォーム・ブランクスにとっては同時期に多くのメーカーやビルダーが、ウレタン/EPSを問わず幅広く色々なブランクスを試したことによって、サーフボード・マテリアルとしてのEPSフォームとエポキシレジンの開発を大きく後押ししたのですね。

そのような流れの結果、現在ではデザインやコンセプトによって選択できるEPSブランクスとレジン、そして製作プロセスのテックとノウハウが充実しています。

一般的にEPSは軽さと重量に対する強度がメリットとして知られています。
近年はその上に、しなやかさ・フレックス性と比重バランスなどのサーフボードらしい要素も進化しています。

さて、そういったあれこれを知っていただいた上で、今日のお題、山王のクオリティについてお話ししますよ。
エムズは今までの色々なポストで、山王ファクトリーのクオリティについて発信とアピールをしています。ですからもちろんEPS x エポキシについてもスーパーハイクオリティな仕事で、同じ姿勢で向上の手をゆるめません。


まず、軽さに注目されがちなEPSですが、エムズと山王では板のサーフデザインと調和の良い"適度な軽さ・重さ"を追求しています。
私たちがお届けしているサーフボードたちの多くは"単に軽い"はあまり求められません。そしてまたそれらの板たちは速さ・動きの速さなどはもちろん、走りにしてもドライブにしても動的場面での板の勢いがとても優れるデザインばかりです。
ですから山王ファクトリーでグラスする板たちは、基本的に普通のEPS素材のボードたち(主にスラスターやショートボードと呼ばれるカテゴリーですね)に比べて"やや重め"に仕立てることがレギュラーです。
もちろん、カスタムではカリカリに軽くや、けっこう重めに、などのリクエストに応じていかようにも巻き上げます。

当然、この要素はただでさえ重量当たりの強度の高いEPS x エポキシ・コンストラクションに、さらにエクストラな強度を与えることになります。

そしてカラーワーク。
山王ではEPS x エポキシにもウレタン x ポリエステルと同じカラーリング・プロセスが可能ですが、私たちにとっての標準になるカラーレジン・ラミネーションは例えばシンプルで飽きのこない1色のティントグラスほど、ウレタン x ポリエステルと比べて均一な綺麗さを求めにくいのです。
これはエポキシレジンそのものとEPSフォームのセル構造によるサーフェイスの性格によるものです。
ですからピグメント系のカラーとの相性が良くお勧めです。

また同様にEPSフォームのサーフェイスは仕上がり状態をボードに寄って見てみると、セル構造独特の粒感のある様子が少し見えるものが普通の状態ですが、山王ではこのポイントについてもグラス前にほどこす独自に開発したさらに2段階のプロセスを加えることによってポリエステルレジンによるピグメントと同様の顔つきに仕立てることが可能です。

と、そんな感じでエムズのお届けする山王グラスによるEPS x エポキシグラスボード、ひと目で雰囲気が違います。
もちろん大事なポイント、グラッシングそのもののスーパーハイクオリティと、さらなる強度。

ぜひエムズでご覧になってください!
カスタムオーダーのご相談、お問い合わせもお待ちしてます。

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