SAMMY VEE for Sさん
2021.07.31

シェイプ上がりはカスタムオーダーの、サミービィー。

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 何度かご紹介していますが、このモデルの最大の特長は、"乗りやすい!"、である。
乗りやすい、ってセリフほどテキトーなものも無くって、そう言っとけばとりあえず無難以上か。

乗りやすい、はいいに決まってますが、ポピュラーなデザイン骨格をしくじらずに仕立てれば普通に乗りやすい板は今やゴロゴロしてる。

このサミービィーの乗りやすいはちょいと違います。ちゃんとサーファーに伝えてくる、"お話"があります。
この板に乗るにつけ、サーフィンに景色を付け加えてくれるはずです。操作やターンに、この板が導くスタイルが加わる。
それは難しい流儀ではなくて、この板に慣れるだけっていうところがつまり、乗りやすい。
そしてとても大事なこと、感触があります。

この感触を生んでいるのがデザインなんですが、ここにモデル名に含まれるVEEが効いています。
この板のVEEは小さいスライトVEEでもなく、大きなディープVEEでもなく、穏やかでありながら長さもあり明確かつしっかりとしたVEEです。

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ボード後半のそのVEEに組み合わされるのが、ノーズから始まる穏やかなハルエントリーと、それに続くやはり穏やかだけどとてもプレーニング性の高いトライプレーンパネルです。

アウトラインが表すようにフルノーズを持つミッドレングスの分かりやすい前脚手動で始まるフォワード・ドライブ。
そのトライプレーンパネルの踏みやすさ・抜きやすさにプラス、実はメリハリのいい速さが出てくるところを、ボード後半のこのVEEの回転とスピードの維持しやすさがとてもよくバランスしたターン性は、現在のほとんどのボードに用いられるコンケーブ系と違って雰囲気ある系です。

もうちょい具体的には、乗り手のボディムーブにかける時間の幅が大きい。小さく早くも、ゆったり大きくも、そのコントロール幅が例えいつものよくあるサイズやパワーのない波でも表しやすい。
もちろんサイズとシェイプのある波でもコントロールしやすさを失わずに、レスポンスと軽さがより際立つのは、佐藤英進自身がこのモデルのオリジナルをサモアのヘビーな波に持ち込んだ結果で証明済みです。

そのように、サーフィンの感触や絵柄がそのサーフボードの隅々までシェイプされることを、先人たちはサーフデザインと言いましたな。
昔、それを知った時には、そりゃあかっこいい!、と思ったもんです。

あ、いけね、忘れてました。
このカスタムシェイプ、7'0"です。カタチごらんになってなんか、あれっ?ってとこ感じません?
種明かしは、出来上がった時に。