長い事おつき合いしてもらっているみなさんにはこの写真、見覚えがある方もいると思います。
ずいぶん前の、"THE SURFER'S JOURNAL"から切り撮らせてもらった2枚。
かなりのページ数を割いて掲載された、DALE VELZYの特集の中から。
このイシューはデイルのサーフボードの事、歴史や出来事、友人達の話、そして現在はレジェンドと呼ばれ時を前後してデイルのもとでサーフボード作りを学んだ多くの人たちのインタビューなどが満載の一大特集です。
ご存知のかたも多いと思うんですが、Dale Velzyは現代のサーフボード界の父とも称されるデザイナー・シェイパーで、サーフボード・インダストリーの始まりを興しただけでなく、今に通じるいろいろなデザインの元を多く作り出しています。
残念ながら亡くなってしまいましたが、デイル・ファミリーの重要人物の一人でもあった故ドナルド・タカヤマさんも、"今見る事ができるたくさんのサーフボードデザインの多くはデイルが元を作ったものが多いんだ。アル・メリックのバンプスカッシュだってそうだよ。デイルのような天才は死んでずっと時間が経ってからようやくその凄さが理解されるんだ、画家のダリのようにね"、と説明しました。
VELZYファンのみなさんは、難しい事はとにかく、サーフィンする事でその凄さを体験している事になりますね。
さて、私は近くVELZYサーフボードに関して大事なプロジェクトのスタートを控えていて、それを機にいろいろなものを見直したりしているんですが、まあそう言いながら出てくるいろいろな資料や写真にいちいちハマってけっこうな時間を楽しみながら過ごしちゃうんですけどね。
ですから目に留まった写真は数知れなくて、当てずっぽうですが、今日はこの2枚を紹介しようと思ったワケです。
この特集の中ではあちこちで、それこそいろんな人がデイルのサーフボードいついて語っているんですが、デイルが生んだ膨大なデザインの中から少しだけ抜粋した小さなリスト。
時がもちろんまだバルサ時代に生み出したPIGのすぐ後に、その発展デザインのBUMPがあります。
やっとウレタンフォームがポピュラーになるかならないかの1960年には、7-11なんていう当時としては短い板もリリースしてます。
この頃は10 / 11フッターなんてのが当たり前の時代です。
そしてその7-11は、さらにもっと短いものも製作されたそうですしね。
1965年には革新的なノーズライダーのひとつ、422もリリースしています。
詳しい人は知っているとおり、422はデイルが生み出したデザイン・シェイプですね。
で、もう1枚の写真。
Jim Ganzerというサーファーがもんのすごく小さい短い422を持っていますが、たぶんこれ、6'ちょいちょいくらいでしょう。
ちょうどその頃の何年かの間、デイルさんは稼ぎに稼いだ何件かのショップをIRSに持ってかれて、回りのいろいろなメーカーやシェイパーの仕事もたくさんやってた頃で、この422はたまたま当初ハップさんのブランドのために提供しています。
422のオリジンが65年で、当時かなりヒットしていますから、その2、3年以内くらいに製作された板だと思われますね。
よーく考えてみてください。まだ時はノーズライダー狂騒期のロングボード時代に、スーパーミニノーズライダーを編み出しているワケです、デイルさん!
それから約50年近く経った今になって、やっとこシーンはこういうファンなアイデアを受け入れる事ができるようになっています。
そうです、ショートボード的なマニューバビリティとノーズライドの融合なんていうアイデアは、最近少しづつポピュラーになってきました。
この板の事はずいぶん前にデイルさんからも聞かされていたしこの写真だってそうなのに、VELZYの一員でもある張本人の私はなんでこれの再現を思いつかなかったんだろう、ってあきれています。
この板、ちゃんと掘り起こしてみるつもりです。