サム・コディさんの工房は、グラスショップの中にある見慣れた感じの一部屋のブラシルーム、って雰囲気とはかなり違う。
そもそも隅々まで綺麗に整頓されてるってトコからして違うんです。
しかもとても余裕のあるサイズのスペース。
まるで何か、設計室のようなすーっとした空気。
でもね、全然冷たい感じがしません。むしろ部屋のいろいろにあるモノや作業中の板を、ひとつひとつよくチェックして回りたくなるようなワクワクした感じ。
サーフボードのためのグラフィックデザインと、そのアイデアをそのままサーフボードにほどこすライブスペースというのが当たってます。
壁にはサムさんのアートワークがいくつか飾ってあって、そういうものもたまに入れ替えられてたりする。
ここはその作業そのものや作業中の板も含めて、そのままギャラリーみたいなところです。
サーフボードの製作現場としては珍しい、と言えば珍しい。
こんなに綺麗ですからね、普通は雑然として埃かぶって要らないものみたいなモノが実は、それ大事なの埃かぶってるだけよ、みたいなノリとは正反対です。
シェイパーさんの中には、あのような削りカスのまみれなくちゃいけない仕事場でもなかり綺麗に整頓の行き届いた人もいますし、現代の制作現場では樹脂を扱う部屋はとても綺麗です。
サーファーがそうであるのと同じで、いや、むしろ今やサーフボードの製作現場がもっともサーファーのマインドの本質が凝縮されている場かもしれません。
いろんな人が出入りしてスペースを共有するケースも占有するケースもあったり、気の合う同士もちょっとそうじゃない人達もいたり、クオリティも様々。
ですけどね、そういう中でもいくつかの凄い板を仕立てる現場ではね、そういうノリも反りも違うサーファー達がお互いの仕事をもの凄く大事に扱うから、で、そうじゃないと凄い板にならないワケです。
ホントに好きな人たちの手によって作り上げられる物事は他にもありますが、ここではみんながサーファー。
サーフボード、ここが肝心。