Fantastic Acid / EXHを詳しく紹介しましょう。
エムズのサイトやInstagramで何度かこま切れに紹介していますが、写真だけではなかなかこのモデルの強烈さは伝わらず、店にお出でいただいてご覧になった方は真逆に、"すげぇ〜!!"、とたまげます。
このモデル、何度かお話ししているように、ものすごく割り切った、そして振り切ったデザインであり存在。
アシッドの製作者、トリスタンがこのモデルを作るきっかけになったのは、ハル界の異才のひとりポール・グロスが80年代に作った何本かのスタディを見たことです。
それはノーズ・テール・レールが極限まで薄くフォイルされて、軽量で超フレキシブルにグラスされたディスプレイスメント・ハル。
例えばレールのピークはアライアかそれ以下くらいに薄くフォイルされている、と言えば想像がつくかもしれません。
しかも、デッキもボトムの4オンス・グラスで巻かれて、どう見ても強度もかなり無視されています。
実は私もその現物を見たことがあるのですが、持ち主ですら壊れちゃイヤだからおいそれとは乗れない、というようにそれはそれはいかにもセンシティブ。
もちろんハル感度も超センシティブ・超フレキシブル、と。
これを元に、トリスタン自身のデザイン・シェイプ要素で再構築して、なおかつライダーズ・コンディションのバンドに入る強度とのバランスをしたグラス・プロセスを考え出してしたてたのが、EXH Hull。
モデル名のとおり、エクストリーム・ハル。
強度とのバランスをしたとはいえ、通常販売されるこのカテゴリーの板と比べれば軽量さ・柔軟さを右手とすれば、もう一方の左手の強度とのバランスは右手に大きく傾きます。
もともと、このデザイン・シェイプはキワドいお味を楽しむものだから、ホントにシェイプとスピードのある波でのみ乗りましょうという板。
その波のサイズはそれぞれのサーファーが決めるとして、そういう波の時・日で楽しみましょう、と。
そういうワケで年中乗りまくるという板ではないはずなので、強度強度・足跡足跡・フットマークフットマークと騒ぎ立てない。
とはいえ、トリスタン自身のリポートによると、何度かのセッションでもそんなにデッキは足跡で荒れてこない、最初のセッションでついた足跡からその後もそんなに増えてくる様子もなさそうだ、とのこと。
実際、このモデル専用に彼があみだしたグラス・プロセスも、最小限のグラス・ウエイトで巻くこの板にとって、フレックスにさらされまくるデッキの(つまりベンド方向)のクラックのリスクを減少させるために独自のテクニックが用いられます。
ここは、すべてのプロセスを彼自身が行う(しかも素晴らしいノウハウとテクニックで)ことのアドバンテージです。
そこはもう、フィンボックスの、またラミネート(ロゴ)のパッチすらも最小限にする工夫にまで気が配られています。
そしてさらに、というよりもリポートの中の最大のトピックは、凄く乗りやすい・扱いやすい!、という点。
そのことはデザイン・シェイプをした張本人自身も驚いていました。
アシッドの各モデルに用意されるボラングラスのフレックスフィンも、このモデル専用のテンプレートとフォイルパターンです。
その専用フィンをセットした何度かのセッションを重ねるうち、彼がたどり着いた(ここは個人的な要素ですから、それそれが快適なポジションを見つけるところです)フィンポジションは、なんと14インチ。
これはそれだけこの板のテールがフレックスするエリアの支点位置が前方になることを物語っています。
というわけで、このEXH、ハル感度の極点をメニューに加えようという、"我こそは"のハル・マッドネスにお勧めします。
エムズにお出でになってご覧になれる方はぜひお出でいただき、遠方の方でればぜひお電話でのご相談をお待ちしています!