PAVEL Rascal
実は、ワケはないんです。ただ、このモデルができ上がって私がリッチに、"名前、何にする?"、って訊いたらラスカルどうだい?、と。
いいねラスカル、で決まった。それだけ。
コロッとしてるわりに、実はかなり機敏。
だからラスカル、けっこういたずらだし、このモデルのキャラクターになってるかもしれません。
別にいたずらな板ではないんだけれど、すごく遊びやすい・遊べる板なんです。
PAVELのモデル紹介ページの中でも説明しているように、最大のフィーチャーは幅とボリュームのデカさ。
たいてい幅とボリュームを大きく設定するデザインのフォーカスは、小さな波でのアドバンテージということになりますが、もちろんラスカルもそこは並外れたアドバンテージを持ってます。
ただしこれ、PAVELです。波乗りのあちこちでスーパースターの素性が顔を出します。
当たり前だけど、いい波に乗ったら大化けするし、ちょっといいターンをしようものなら伸びとカーブの切れとコントロールへの鋭さはこのコロッとした体躯と別物。
普通なら幅が邪魔しがちな、バックサイド・トップターンでハイラインから早いタイミングでレール切り替えとかなんかでもね、遠慮しないで思い切り良く操作してやると軽く切れてドライブよく廻ります。
その時のラスカル・キールフィンのこの板とのフィットは、さすがリッチがフィンテンプレートをラスカル用に造り出しただけあります。
リッチはPAVEL 山王では多くの板にスペシャルな造りのグラスフィンにこだわりますが、フォイルとフレックスのコンビネーションを、妥協と強度の心配無しに実現できるからです。
なんだかよく分からないんだけどすげえぞ、っていうような時には、こういうファクターが顔を出した時だったりします。まあ、いい。
ラスカルは6台中くらいから7台前半くらいまでの長さがターゲットのデザインです。
小さめなフィッシュ、例えば5'5"とかそのくらいのアウトラインのカーブのバランス。ラスカルはミッドレングスにからむ長さでありながら、そういう小さめなフィッシュの持つカーブを与えられています。
へたすりゃ、もっとカービー。
これ、カタチだけなら平面に描けますが、そいつを上で言ったような機敏な動きと操作性と速さをデザインするのが、つまりリッチ・パベルってワケだ。
ちなみにゴールドイエローのPAVELフィッシュが2本。
左・6'5" Rascal / 右・5'10" Keel Hauler、どうでしょ、長さだけじゃなくて幅、ぜんぜん違うでしょ。
カーブ見てください。長くなった分だけカーブが減る(大きなカーブになる)のが当たり前のはずなのにこれだけカービーなアウトライン。
これがラスカルの機敏さで働くには、ロッカーとフォイル、この幅を活かすところで活かして、軽快な反応を生むボトムデザインの秘密、フィンのフレックスとテンプレートとそいつが何処にどうセットされるか。
そういうこと全部が決まって、こういう板になるんだぜ、とはリッチの言葉。
ストックも製作中です。