本物のシモンズがオラオロ、その日本製作バージョンとして人気の "Sim"
シェイプが佐藤英進、そして以前お知らせしたように、昨年夏からはいよいよグラスワークも山王グラッシングで仕上げられています。
Simはオラオロ同様、EPS x エポキシレジンのコンストラクションがメイン(特にご希望があるものや、重量を求めるケースでのロング・シモンズなどは、ウレタン x ポリエステル・レジンでの製作もしています)ですが、高橋 健次による山王ファクトリーのグラスワークはそのエポキシ系の仕事にもたいへん高度なテクニックと技を誇ります。
どこかでこんな話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、一般的にエポキシ系のグラッシングはポリエステルレジンとはフォーミュラや扱い方がけっこう違いますし、材料費もやや高いです。
つまり、サーフボードのグラッシング作業上の流れや手間や時間、そして扱う条件などもいくつか違いがあり、エポキシ・グラッシング独特のテクニックとノウハウが必要になります。
EPSやスタイロフォームをコアに用いてエポキシレジンでグラスするサーフボード、実はすでに80年代に日本でも始まったのですが、マテリアルのクオリティや作業性の悪さなどが災いして普及しませんでした。
現在のようにEPS / スタイロフォーム x エポキシレジンのサーフボードが発展するキッカケは、あのクラークフォームの事業停止によるブランクス・クライシスが直接の原因です。
当時、クラークフォームは世界中で圧倒的なシェアだけでなクオリティにおいても他をダントツに引き離した、いわば独占状態みたいなもんで(他にいくつかのメーカーはありましたが、かなり開きがあったのが実情でしたな)、クラーク閉まったら誰もフォーミュラはおろか現場のノウハウはばらばらに散ってしまって、"冗談抜きで今日から板が作れねーぞ"、という危機的な一時期があったのです。
その後数年かかって、実質クラークの跡を継いだUS ブランクスを筆頭に、いくつかの良質なブランクスが供給されるようになりましたが、その過程でエポキシ系が一気にクオリティと作業性を上げたのです。
しかしまあ、それでもエポキシ系にはおおげさに言えば、もうひとつ最初からサーフボード作りを覚えなきゃならない的なノウハウやテクニック、そしてトレーニングが必要です。
しかもそのノウハウやテクニック、といった要素はどこの職人さんや会社でもそうなように、何でも公開されてるわけじゃない。
それが現在(日本でもアメリカでも)エポキシ系を、そもそも扱うファクトリーが少ない、そして仕事の出来の差も大きい(これはポリも一緒か)理由です。
さて我らが山王グラッシングの首領・高橋 健次はいつもエムズのサイトのあちこちで登場し説明しているように、リッチ・パベルと組んで世界のナンバーワン・サーフボードを製作する場としてのキャリアをどんどん上げて、今ではリッチが世界一のPAVELを造れる山王、とまで言わしめる処。
当然、エポキシ系の仕事にも他で見た事が無いような独自の工夫やテクニックを山王では見ることができます。
さてそんなわけでタイトルにあるように、"山王の技術が惜しみなくつぎ込まれたのがSimの最新スペック"、というのが今日の話。
少しサーフボードに目のあるサーファーなら、平均的なエポキシグラスの板とは全然違う雰囲気を感じていただけるはずです。
もちろんそれは実際に波乗りして避けられない、サーフボードの消耗、という大事なポイントでも大きな違いになりますよ。
本物のシモンズ・Sim、ぜひこちらのページでチェックしてみてください。
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