2017.05.27 UP DATE
サーフィン、自由かい?

エムズのこのサイトでも紹介している、DVD "FISH"。つい先日リリースされてFISH目当てに来店されるお客さんもちらほら。
ショップに来てくれるお客さん達ですでに観た人は、必ずと言っていいくらいこのDVDの内容にからんだ話をするところを見るとみなさんに良い刺激になっているようです。

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実はこのFISHの中で登場人物達が語る興味深い話の多くは、さかのぼれば古いものでたぶん10数年前から新しいものでも数年前にどこかのメディアのインタビューなどで語られたものです。
FISHの中身が古いとか、目新しいものは無い、なんてことを言いたいのではなく、それらのとても大事な話がこうしてFISHで映像と一緒にたくさんのサーファーに届くことがすごく価値があるという事。

さてところで、FISHの作者が意図したかどうか私には分かりませんが、今回の作品ではあるピリオドが仕込まれていると思います。
作者自身が言うようにフィッシュを知って目覚めて、この作品を制作する動機と力になったそうです。
つまりこの作品を制作していく過程で、今回収められている素晴らしい内容が作者自身にとっても掘り起こされたことで、今この時点でFISHができ上がったのです。

作品の中にあるとおり、スティーブ・リズがフィッシュを生み出してそれは奇跡的に素晴らしく機能的なサーフデザインであったこと、フィッシュとその生まれたエリアの言わば生息環境とその後のメーブメント化のいきさつ。
その後の多くのサーフボードデザインに与えた影響。
そして現在につながる、フィッシュの持つ高い機能性の再発見とたくさんのサーファーの解放。
そして本物のフィッシュがあるんだよ、と。
この作品はおおよそここまでを扱っています。

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現在、実際のフィッシュシーンのコアでは、基本と伝統を磨き続けることを止めず、発展要素は驚くべき進化を見せています。
つまり上で書いたピリオド、FISHの終わり近いところで言われるフィッシュを発展させているシェイパーとそのデザインとその未来に触れているそれは、たぶん次の作品に引き継ぐような匂い。

ここ数年、世界的にメディアの環境が大きく変化していることでこのようなDVD作品には特に厳しい状況があって、多くのサーファーがDVDを購入して観る、というところにたどり着くには壁が高くなりつつあります。

つまりYouTubeやVimeoで面白い映像がいくらでも観ることができるので、コマーシャルな立ち位置の作品ですらそちらに居所を移して、見る側にとってはタダが基本。
でもね、FISHが証明しているように、意味あるもの繰り返し観たくなるようなもの、そういうものは手元に持っておきたい。
そういうバランスに到達すれば、人気タレントを集めた御用作品でなくても売れるし、みんなが喜ぶ。
いやむしろ、御用モノにはすでに誰もお金を払わないからこそ無料メディアに場を移したとも言えます。

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さてと、頭で言ったようにFISHの中で語られる目からウロコの話の数々、一体それ以前のどこですでに語られいたのか?
主に、サーファーズ・ジャーナルです。それと私個人としてはさらにリッチ・パベルから聞かされたたくさんの話の中にもあります。

ここでまたFISHの中のいくつかのシーンと出入りするんですが、間違いなく世界のトップサーファーの何人かが、フィッシュがそれまでの自分の頭を切り替えさせられ解放されたと言います。
ロブ・マチャドにいたっては、90年代は95%のサーファーが間違ったサーフボードを選んでいたとまで言います。

これ、90年代を知らない人のためにも説明すると、超人ケリー・スレーターの登場以降"幅はエンピツ・厚さは紙"、みたいな板にエスカレートした(すごく大げさだけど)ほどの時代。
普段のビーチの普段の波で普通のサーファーがみんなそういう板に走ったワケです。そしてずいぶん修正されはしたものの、現在でもそのインフルエンスはある程度続いています。
彼らほどのサーファーでもフィッシュによって解放されたと言うのです。

そこをコンペサーフィンからフリーサーフィンへ、という物言いでよく言われます。
彼らは本気のコンペティターとしてトップフォーミュラの現場で活躍していたのだから当たり前。

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で、今日お見せする写真はすべてサーファーズ・ジャーナルから拝借しました。特にマニューバー(技、ですね)から解き放たれた写真のいくつか。

サーファーズ・ジャーナルにはきっと難しい記事も多いかもしれません。それぞれのサーファーにとっての個人的な関心に近くないものも多いでしょう。
しかしながら、サーフィンはサーフィンです。この本の中には解放されたサーファー達の波の上の姿がたくさん、ホントにたくさん観ることができますよ。

安心してください。
今はありがたい事に本国版そのままに、プラス日本の話が加わり、素晴らしい訳で日本語で読める日本版があります。
私、別に回し者ではありませんが、ぜひ定期購読されることをお勧めします。年に一度まとめて1年6冊分、先に払っておくクセをつければいいだけのことです。ググればすぐにアクセス先も分かるでしょう。

冒頭の話に戻れば、もしかしたらどこにも載っていない、あるいは載せない、あなたの波乗り生活に自然な良いヒントとが必ず書かれています。
もちろん、決してガイドではありません。

あ、ちなみに拝借してご覧いただく写真、こういうのマネするとカッコいいよ、みたいな勘違いスタイルガイドでは間違ってもございませんが、コレここまで読んでる人は知ってますものね。
失敬。

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