今日のリポートは、PAVEL 7'11" KEYO QUAD / VARIAL です。
この板、今年リッチが新しいデザインとして山王に持ち込んだミッドレングスのクアッド・フィッシュ。
と、言ってしまえばそれまでのこと、そういうの今までだっていろいろあるし、PAVELではすでに充実しているカテゴリーでもある。
ちなみに私のこの1本、いつもはグラスオンが基本のPAVELですが、このモデルでもパベル・クアッド・WOODFINとちょいと変則トレーラーフィンセットアップを試したくて妙なポジションにひとつ余分なプラグがインストールされています。気にしないでください。
ところがこれ、リッチさん、VARIALフォームとのコンビネーションを意識してデザインしています。
もちろんウレタンフォームでもEPSでもフィットするデザインですし、それぞれのマテリアルの特色に合わせたアジャストはいつものことです。
が、まずはVARIALフォームとこのモデルのデザイン、それぞれの特長を最大限にプッシュした造りになっています。
私がこうして説明しているのはもちろんリッチさんからその秘密を聞かされているからですが、その話の全部あるいはどんな写真でもお見せできるわけではありません。
今日もこの板のシェイプ上がりのボトム写真を1枚だけお見せしていますが、これ実は相当なインフォメーションが写っています。ですから普通は企業秘密ってヤツが写ってる、と。
ただし、このボトムを見てこの板のデザインが分かるなら、それはもうリッチ・パベル、なんですな。
つまり平面が見える板の写っていない他のところがどうなってるかがそれぞれの板のサーフデザインなので、こういう写真を見てその平面だけをだいたいマネをするのは創造力も想像力もカケラもないお粗末。
話を戻しましょう。
そんなわけで、一つこのモデルの特殊性を種明かしさせていただくと、例えばアウトライン・ロッカー・デッキフォイル・ボトム、などなどはリッチのデザイン・シェイプにおいてはすでに高く評価されている。
んですが、フォイル、が凄い。ここで言うフォイルは、デッキとボトムのそれぞれのロッカーによって生まれるフォイルのこと。
コイツが、見たこと無いというか、いかにもワケ有りの一風変わったパターンなんです。
リッチがいくつも持っているデザイン秘密の中に、フィンがどこに向いてどこに付いているか、があるんですが、これも単にフィンの向きと位置ではなく、あるパートとフォイルにもろにリンクされています。
それがあってこそ、ボトムデザインだレールだアウトラインだ、のすべてがターンに機能・作用するんだ、と。
このキヨ・クアッドはまずはVARIALの高機能を最大限に利用するミッドレングス・デザインということは上でも話しましたが、このフォイルがVARIAL独特のフレックス・キャラクターを利用して全く別のドライブに化けます。
ちなみに今日の波乗りでそれを引き出すライドは、たった2本だけというのがへなちょこで申し訳ない。乗り位置のチェックをついおろそかにしてしまいます。
少なくともこの板では奥の乗り位置でいとも簡単に走らせることができるし(というより、それがそのドライブを生むちゃんとしたポジションでした)、この長さのコイツがずっと短い板のように振る舞うのです。
それでこそVARIALの密度を感じさせつつの独特な軽さがちゃーんと生きる、という仕掛け。全部がそういうふうに出来ています。
もうコイツは、7'11"じゃないです。長さだけじゃないよ、フラットウォーターには有利に働くこの広めの幅だって波に乗れば敏感な細身に乗っているみたいに化ける。
例えばこれが、リッチさんがこのモデルをVARIALとコンビネーションしたデザイン力。
今日、下ろしたばかりですから、上手く行けば?、次にはもっと別な発見とリポートができるはず。
遅れましたが、そんなワケですから、このKEYO QUAD / VARIAL、波のキャッチとても早い・速い(しくじるときは私の問題)、滑り・走りとっても速い!、例によって上下の動きは別な速さ!
ところでVARIAL、その材料価格が高価なこともあって日本でもまだおっかなびっくりトライされているような状況ですし、ケースによって全然違ったり逆な感想などが言われているようです。
が、リッチと私たちはリッチ自身が開発に関わっているような状況もあり相当なノウハウを得ていて、VARIALで製作する板それぞれにリアルにフィットさせてデザイン・シェイプされます。
今日のこのページではこのKEYO QUAD以外にも、WILL & GRACE / TWINZER FISH / DIAMOND TWINZER、などをご覧いただいています。
それぞれにそのサーフデザインをほどこして、そのシェイプならではのフィーリングと機能性を素晴らしく調和させているのが、PAVELです。
続く。