2017.02.07 UP DATE
ダブルハピネス、ちょっと詳しくデュアルの話。

2016 PAVELでデビューしたいくつかのモデルの中に、このダブルハピネスがあります。
なんだか可愛い名前のこの板、つまりデュアルと呼ばれるデザインです。

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リッチさん、2本のフィンだけどツインフィンじゃないし、後からお話しするけどいくつかの二つ組になる要素にかけて名付けました。
もっとも進んだデュアル・コンセプトを完成させたモデルです。

ところでこのデザイン、デュアル・シングルフィン、というコンセプトから来ています。
なんでわざわざ2本のフィンを並べるのか?、って誰でも思いますね。
早い話がシングルフィンのフィーリングのまま、ターンの機動性とマニューバーの自由度の高いサーフィンがフォーカスです。
通常のシングルフィンよりも常に波側にフィンが機能することでターンは深くすることができて、なおかつきわどい波のポジションでもフィンアウトしづらくなるわけです。

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ニール・パーチェスJr. のスタイリッシュなサーフィンによって多くのサーファーの目を惹くようになったデュアル、このコンセプトもオリジナルは例によってかなり以前からあったものです。
そのようないきさつから、いろいろなシェイパーがデュアルをフォローしていますが、板そのもののカタチやフィンセットアップはNPのものをざっくりマネしたものを多く見かけるようです。

NPのシェイプはもちろん成功しているのは間違いないとして、多くのフォロワーの捉え方はベーシックなシングルフィンのプラットフォーム(アウトライン・ロッカー・フォイル・ボトムデザインなど)をベースにNPを見習ったポジションのフィンセットアップという流れです。
基礎的なデザイン力がある程度であれば、わりとコンセプトのキャラクターまでは達しやすいアプローチです。

そういうわけで比較的狭いフィンセットアップが特徴として捕えられる傾向がありますが、じゃあどこからがツインフィンになるんだ?、という疑問が当然出てきますね。
2本のフィンがどんどん離れていってレールに近づいたらツインフィンかい?、と。
それにフィッシュとはどう違ってくるんだい?、とかね。

"ツインフィン"と呼ばれるサーフデザインもかなり昔にさかのぼりますが、これはこれで独特のフィーリングがあります。
"フィッシュ"も、本物を造るシェイパー達はフィンの数やテール形状ではなく、あるフォイルの法則を共有しています。

ですからフィンの数やぱっと見の分かりやすい特徴よりは、サーフボード・デザインの基礎要素のそれぞれとの組み合わせ法則とそのクオリティで決まるのです。

で、リッチさん、去年このダブルハピネスを造り始めて姿がおおよそ見えてくると私は驚きました。
リッチにはいつもどんな板でも、こんな発想があるのか!、とか、とんでもないオリジナリティ!、などを見せつけられています。
一緒に製作現場をシェアしている私でも驚かされることが終わることがないのですが、このダブルハピネスにもまったく驚かされました。

見たこと無いカタチ!、がまた現れた!!、でした。
それもカタチだけじゃなくてカタチと連動するロッカーもボトムも、シンプルだけどぜーんぶ違う。

ちなみにこのモデルは昨年の来日シェイプ時、PAVEL・山王をサーファーズ・ジャーナル・ジャパンエディションが記事として取り上げてくれた中でキーとして紹介されました。
その時もライター・カメラマンのリーさんが、この板やばいですね!、と驚いていたのが印象に残っています。

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リッチがこの板にデザインしたのは、デュアルのキャラクターを単にシングルフィン・プラットフォームに適性化させるのではなく、デュアルのキャラクターとメリットを最大に実現するためにすべてのパートをまったく新しく創り出したわけです。

その結果のこのフィンセットアップです。
時々質問を受ける、フィンのポジションがあまり狭くないんですね?、というトラップとはすでに無関係なところまで進化しています。

つまりサーフボード・デザインのぞれぞれの基礎要素をデュアルのために新製しているので、単にシングルフィン・プラットフォームに制限された狭いセットアップの必要がない。
そして出来上がったダブルハピネスはどんな波乗りなんだ?、というと、この1本目は我々のクルーでもあり、筋金入りのベテラン上級者サーファーS氏の手に渡って素晴らしい結果を聞くことができています。

基本的なデュアルの美味しいところ、シングルフィンのクリーンなラインとでスピード、最高峰のマルチフィンに慣れたサーファーを満足させるどんなターンにもついてくるマニューバー性。
それらが、まんまシングルフィンのフィーリングで実現しています。トップでの回り方なんかも、ですね。

さらに驚いたポイントは、彼自身もなぜだか分からないくらい不思議な感触なんですが、と前置きしながら話してくれた、"シンプルなダウンザラインを滑るだけでもどこまでも滑っていきそうな無抵抗感なんです!"、というコメント。
彼がそう言うのは、並みのレベルの話ではないことは分かっています。そういうレベルのサーファーであり、日本でもトップクラスの波をサーフするサーファーが言う話です。

で、私はその話をリッチにぶつけました。
答えは、"そうでしょ!"、と。
そこで私は、それはデュアルの持ってるキャラクターの延長なのかシェイプなのか?、と訊いたワケです。

そしたらね、"シェイプ"、だって。
やっぱね。

そういうシェイパーなんですよ、リッチさん。
このダブルハピネスにも、上で説明したような、言わば専用設計をしてとんでもない完成度でモデル化しただけでなくてね、S氏の言う極上オプションまで仕込んであるのです。

もちろんそのオプションはこのモデルをデザインしている過程で、その可能性を発見したからに間違いないんですけどね。

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すでに、PAVEL 2017 でも何本ものダブルハピネスのカスタムオーダーをいただいて、順次製作していきますが、オーダー主のみなさんも勘がいいというか、鋭さと感心させられます。

1本目のイエローは、5'10"。
今年のカスタムオーダーでシェイプ上がりでご覧いただいているのは、6'2"と6'8"です。

予約で完成前SOLDになりがちですが、ストックも準備していますので、関心のあるみなさんからのお問い合わせも歓迎です。

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