さてと、リッチが来るとトピックには書ききれないくらいたくさんの話がお互いに出てくるものなんです。
いつものことなんですが、ショップにお出でになる人とはゆっくりおしゃべりできますが、それでも話題のごく一部をお話できるのが精一杯。
まして自前とはいえサイトでお伝え出来るの事は、さらに限られてしまいます。
リッチとは17日の夜から合流していますから今日はすでに4日目。もうすでにけっこうな量の興味深い話を交わしています。
そんな中から、このbackdoorページならではの話題をいくつか紹介。
一昨日から山王ファクトリー入りして道具とシェイプルームの整えを開始、昨日は用意したエクストラ・ブランクスから選んでフリーなアイデアでシェイプを始めました。
まず選んだのはリッチのシグネチャー・ブランクスの一つ、68RPをウェッジストリンガーとスペシャルロッカーで貼った1本のブランクス。
いくつかの私のリクエストやアイデアからリッチはご覧のフィッシュでスタート。
パッと見、PAVELならではのオーラを放つ素晴らしいフィッシュ、ちょい長めかいな、って風に見えるでしょう。確かこれ、6'6"。
ところが、ちょいと目のいい人なら気がつくはず。なんか違和感ないですか?
どえらく幅の広いプランシェイプ!
リッチはデカい方ですし(当人も認めてましたが、太ったぜえ、ってのはまあいいとして)そのリッチの横に立てて持つバランスは明らかに幅広いはずです。
カーブの多いアウトラインでカタチだけなら小さめのフィッシュに見えてしまうけど、よく見りゃそのまんま板そのものがデカい。
私がリクエストですが、かいつまんで言うと、ばかみたいに幅広くてカーブの多いアウトラインの6'6" FISHという中身。
これは元ネタがあって、思い起こせば13〜4年前、その時もリッチと一緒だったがSDはパシフィック・グラスでオーダーしてあった板をいろいろチェックしてた時、まさにこの6'6"と同じようなLISが1本上がっていたんですな。
このバランスだけ言えば冗談になっちゃうようなアイデアを、そのカタチを機能させてちゃんとした個性にデザインしてしまうのが特級のデザイナー・シェイパー。
リッチとはたまーにあの板の話題になることがあるんですが、今回いくつか私がリッチに投げたアイデアの一つが、そのコンセプトをマトモに整えたサーフデザインにしてしまおうという試み。
で、これもいつも通りなんですが、リッチがフィッシュのテールを作るときのルーティーン。切れ込みのカーブを2〜3度に分けたプロセスでたまげる精度で切り取るんですが、最初のカットで直角に入れた鋸がストリンガーのど真ん中でピタピタに合う!!
さらにテールのレールの角度を付けながらデッキ側から鋸を入れるワケです。
いきなりカタチを攻めないで後から修正しながらシェイプを整える事は出来るものですが、鋸でほぼキメる。
今日見たこの板はすでにファインシェイプからクリーンナップへ、という段階まで進んでいましたが、いやもうコンセプトを分からせるデザインとそりゃもう素晴らしいフォイルで、すごい"FISH"になっちゃってました!
いきなり話は飛んで、さっきも出てきた、US BLANKSの68RP。これは世界中に供給されているモデル化されたブランクスで、RPシリーズはもう一つ小さい510RPとともに、世界のフィッシュシーンを支えるベストブランクス。
もうほとんどのシェイパー達がフィッシュを削るならこれを使うと言ってもいい、要はフィッシュの元。
US BLANKSがリッチにこのブランクスのデザインを依頼したというのは、つまりそういう事。
さらに話は飛んで、昨年あたりからデュアルフィン・フィッシュを極めるという動きが、世界のトップサーファー達から始まってきて、ずいぶんと一般の(というか、オルタナな、ね)サーファーにも影響を及ぼしています。
有名どころは私が説明しなくてもみなさんご存知だし、あちこちの動画で見ることができます。
もちろんそういうサーファーの波乗りは私もフォローして楽しんでいますが、表立って知られていないめちゃめちゃスタイリストが所々にいるものです。
私、個人的にはそういうサーファーを見るのがうれしくて、地元はもちろん千葉や茨城なんかの何処かのビーチで見かけたりもすれば、クルーのいる東北から送られて来る写真など、ステッカーを貼ってないカッコいいサーファーは一番、と。
で、私もリッチにどこどこにいる誰々君イカすんだぞとか言うと、こないだリッチが見せてくれたヤツが一人、サンタバーバラはリンコンを舞台にしてるオリバー・パーカー君。彼はすごくカッコいい。
あのくらいになると、そのうち誰かが波乗りを何処かの動画にアップしたり、映像商材の中にもピックされるかもしれないから名前を覚えておいて損は無いよ。
もう当たり前だけど、フィッシュからクラッシーなログまで、彼のサーフィンしびれるそうです。
リッチとリンコンの話になると出て来るのはローラン・イエーターの話題でして、彼の削る板の素晴らしさはエムズのサイトのあちこちでずいぶんとお話ししてきました。
凄く肝心なこと言い忘れてるような気がしてたんですが、そのローランの波乗りは超がいくつも付くほどカッコいい!
つまりさっきのオリバーにしてもローランにしても、バードウォッチャーがめったに見られない貴重な鳥見て涙を流して喜ぶ(出さない?)みたいなもんで、リンコンのいい波で波乗りを見ることができたらスーパーラッキー!、な3人の一人がローランである。
このようにですな、ホントにすごいものはなかなか誰の目に前にでも現れるもんじゃないと、ちょっと言いたい。