、、、なんでこのフィンなのか、って思いませんか?
例によってフィンはシェイプの一部ですからね、ここにはワケもありゃ板も変えてしまいます。
さてこのスピードフィン、とても変わった形。
エッジボード・プロジェクトのためにジョージ・グリノーさんがデザインして、プロジェクトに招待したシェイパー達だけが彼らの製作するボードに使用することができるんです。
番手の大きい平織りボラングラスの積層板から削り出されますが、よくよく見ればフォイルパターンにばっちり大事なキモが見えます。
ところでご想像の通り、このフィンはフレックフィンに仕立てられていますが、なんたってベースがびっくりするほど細くてそのままチップまで全体も細身のテンプレートです。
フィンの基本としては広いベースはターンの伸びが良くなります。ということは細ければ伸びないのか、というと、面白いことにボードのレールとエッジのコンビネーションでそれらを補いあうデザインができるんです。
で、このエッジボードとスピードフィンの組み合わせは、ターンのドライブと伸びをボトムのエッジ、それもほとんどボード全長にわたる長いエッジがフィンベースの代わりに働きます。
逆に言うと、フィンベースでは稼ぎきれないほどのドライブと伸びをエッジが生みます。
ですから広いフィンベースは要らない、ということなんです。
そのことによってフィンは、そもそもの抵抗という働きを最小限にして良質なフレックスフィンの生むスナップによるドライブだけが働きます。
そこでさっきも言ったフォイルパターン、それもこの狭いエリアの中でダイナミックな立体フォイルをキメなくてはいけない、と。
ここをしくじるとカタチはフィンでもただの棒になっちゃいますからね。
さてそういうわけでプロジェクトに招待されたシェイパー達には、グリノーさんのオリジナル・エッジテンプレートが授けられ、そしてこのスピードフィンの使用が許されたということです。
ところでエッジボード、1本のボードではあるんですが、一つの板の中にもう1本の板がボトム側に組み込まれていると考えると分かりやすいです。
ボトムの造形はご覧の通りとても高度な立体なので、シェイプの技と手間はもちろん、グラス・ラミネーションとサンディングにも高い壁があります。
ビシッと張って、なおかつボード全体に均等にラミネーションするとなると、特にアンダーレールからエッジとエッジボトムのマイナス形状部分もキメなくちゃいけないですから、グラスとレジンの凝着を少しでも邪魔をする要素は省きたい。
それがマンダラとファローがエッジボードにはクリアグラスのみを採用する理由。
マニーはエッジボードにはラフなスプレーカラーがよく似合うよ、ってお勧めしています。
何度か写真も紹介しているように、つや消しの缶スプレーでテキトーにカラーリングしちゃう、という作戦です。
これだったらもし板をぶつけて傷つけても、最初からラフな見た目だからリペアした痕の上からまたスプレーすればいいしね、と。
逆にかっこ良くカラーリングしたいという人には、当山王ファクトリーにブラシカラーをリクエストしていただくこともOKです。