2016.07.21 UP DATE
ノーリミット!、で。

PAVEL 6'2" ELLA  リッチ・パベルが提案するちょっと未来のスラスターです。

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EPS x エポキシグラスと、PU x ポリエステルグラス、どちらでも選択可能。
この1本、普通のウレタン。

前に友人のあるベテラン・サーフボードビルダーが私に言いました。
"パベルが前からやってる事を今ショートボード・シェイパーが気付き始めてるのね"、って。
その人、日本のサーフボード製作界の元になる重要なパートをたくさんのシェイパーさん達のために働いているから見えた話。

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シーンのスラスターは世界的にも、トップコンペティター達のピックするデザインやシェイパーの最新デザインを追うように展開しているのは長い間一つの流れになっています。
それ、実は真っ当な流れでしてね、例えばF1でも分かるようにクルマのレギュレーションをあえて変える事で、変化をうながすという面もあるんですね。
興業面が発達すると、毎年同だったり、同じ傾向があまり長く続くと飽きられてしまう。

つまりサーフィンでも、世界のトップコンペシーンではジャッジ側はクライテリアに変化を与えたりしますし、コンペティターの側もそれに対応するだけでなく違う動きやアプローチを繰り出すトライやチャレンジをします。
それはスポーツ・サーフィンの限界アップを促すとと同時に、年々ハイレベル化し興業面とマーケットの世界的拡大に対する影響力を上げていこうとするカテゴリーのビジネス・スタディです。
こうやって話しながら、私自身は完全に外野でゴロゴロしながら時々眺めてる見物人ですけど。

で、それを引き出させるのがサーフボードのデザイン・チェンジです。
あのシーンのトップサーファー達が、誰か目を惹く動きを見せたり勝ったりするサーファーの新しい板をこぞって後を追う図式があるのはそういうことです。

で、なぜあのトップコンペシーンでずっと長い間スラスターがその中心的役割をになっているかというと、正しく出来たデザイン・シェイプに組み合わされるスラスター・フィンセットアップは安全だからです。
つまり彼らの恐ろしく高度でリスキーなマニューバー(ワザ、ですね)を、もっとも高い確率でメイクさせてくれるシステムということで、安全と言いました。

こういう一面もあります。
1990年代の後半以降、ケリー・スレーターの支配以降、世界のトップクラスを取り巻く事情はこりゃもう、普通のサーファーは置いてけぼりが当たり前になりました。
当然、サーフボード・デザインにもそれは反映されて、あのシーンのデザインは普通のサーファーが普通の波で楽しい、なんてことは寝言になっちゃいました。

その結果、当たり前の正義で、板自体に味は要りません。


時々、話題にする事の一つですが、私たちが波乗りを楽しむサーフボード、まあ世間じゃあオルタナティブなんていう言われ方もします。
これらの板はオルタナだからなんじゃなくて、ホントに楽しいのはいい板、凄くいい板だからなんですが、それらに共通するのは筋金入りのハイレベルのサーファー達はもちろん(みなさん、ご存知のように)、私たち普通のサーファーがそこいら辺の波でばっちり楽しい波乗りを体験できる真の上質。

そしてそれがなんで楽しいか、っていうところに"味"があります。
ここをいつも私は、感触とかキャラクターとかいう、つまりそこがサーフデザインというヤツです。
板に、波乗りが仕込んであります。

ここはアタマで考えるとこじゃないんですね。
なに?、板に合わせろっていうの?、みたいにさわる前に考えないほうが、たぶん楽しい。

波がそうであるように、乗っていい気分にさせてくれる、それもそういう違う感触や波乗りのデザインが実はいろいろある、というわけです。

さてそこでやっと、ELLAの話に戻ります。
スラスターである以上、スラスターとしての機能性がフィーリングそのものになっています。

リッチがこのモデルの基礎に与えた要素に、スラスターがシーンにとって決定的になったある時期、カレンとオッキーのあの時代のあの良いサーフボードが持っていた、フレンドリーな高機能。
速いパドルと波のキャッチ、そして滑走スピード。

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そこに加えられてしまったのが、板のあらゆるパートに仕込まれたリッチの超先進デザインの数々です。
アウトライン、ロッカー、フォイルの3代要素に、レールフォイル、エッジレイアウト、他のいくつものフィンセットアップで証明されて逆磨きにあったフィンセッティング、ボトムには完全にコントロールされたコンケーブ類、などね。

スラスターである時点で、リッチの他のデザインのような"味"は控えめです。
でもその代わり、他の美食サーフデザインに慣れたサーファーにも一切ストレスを与えないサーフィン基礎機能と、"いい汗"かかせてくれる動きを板が知らせてくれます。

このモデル、オルタナを楽しむスラスターを知らないサーファーの意外なオプションとして。
そしてまた、もともとがスラスターのキャリアで、今はオルタナのあれこれを楽しむ解放されたサーファー達。

そんな人達にぜひ1本持って遊んでいただきたい板。

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