
我らがファクトリーマン"高橋 健次"のサーフボード・ラベル、OZ。
ずいぶん前に私が健ちゃんに訊いたらね、このOZは南半球のあの国のイメージじゃなくて、アメリカの児童文学で知られる魔法使いのいる国のほうのイメージなんですよ。
健ちゃんは私と同い年で私たちの世代でよくあるように、もうガキの頃からずっぽりこちらの世界で腕を磨いてきたビルダー。
ですからそのキャリアがとんでもなく長いだけでなく、湘南のサーフボード造りの歴史に刻まれるたくさんのファクトリーで最高の評価をされてきた人物です。
かれこれここ10年くらいは私たちエムズと一緒にたくさんの仕事をしてくれていますが、特にここ数年はエムズが預かるブランドの来日製作による世界のトップシェイパー達との製作プロジェクトが海外からも驚きの目で注目されています。
これはとても貴重な状況で、世界トップのデザイン・シェイプと日本の驚異的なクオリティの融合です。
しかも例えば、リッチ・パベルと高橋 健次の2人だけで造り込むという、究極の純度がキープされる製作環境。
高橋 健次と一緒に製作するシェイパーは、彼がそれぞれの板の理想の最終形状を理解してあらゆるプロセスで最上の仕業をほどこす事を前提にした、別レベルのシェイプを仕上げるという化学反応のようなリレーションに発展しているわけです。
OZサーフボードに話を戻しましょう。
そういった作業は健ちゃんのデザイン・シェイプにも反映されます。
健ちゃんはオリジナルなデザイン・コンセプトでOZサーフボードをシェイプするのはもちろん、そのオリジナルをさらに完成度の高いものにしていくわけですね。
OZサーフボードに共通するキャラクターのひとつ、誤解を恐れずに言うと、大人のサーフボードという一面。
これはね、ちゃんと筋金の入ったキャリアとレベルのある大人のサーファーに支持されるということ。
ですから、長さやボリュームに余裕のあるデザインが高度にバランスしていて、それでいてサーファーがサーファーなら、とてもレベルの高いパフォーマンスを発揮するという特長です。
エムズではOZの傑作をモデルを見極めながらラインナップに加えています。
先日もあらためて紹介した、要注意シングルフィン"ラビット"はその一つ。
で、今日、お初に紹介するのはこの、"グリーンマシン"。
なんと、スラスター!
このモデルネームはとある歴史的シェイパーが過去に発したセリフにインスピレーションを受けたって、健ちゃんは言ってました。
どうして、なんと!、なのかっていうとですね、私たちがラインナップする中にスラスターはマイノリティだからってだけなんだけど。
シーンがシーンならスラスター1色なのにね。
私たちが楽しむサーフボードはどれもすべて、それぞれのサーフデザインと波乗り感触を持っています。
一方で、スラスターはコンペティション・スタイルに機能とイメージを追従させるカタチで発達してきた用具系サーフボードともいえます。
ですからフィーリングや感触そのものが1本の波でだって楽しめるデザインと比較すると退屈に感じてしまうこともあるんですが、このグリーンマシンは違うよ。OZ、だしね。
すべてにおいて無難で扱いやすいスラスターの、ともするとつまらないように誤解されちゃうかもしれない特徴を逆手に取って、さらにOZの共通コンセプトであるサーフィンの基礎要素(パドルスピード・テイクオフ)に余裕を持たせたサイズ骨格と組み合わせて、まずはそれだけでも笑っちゃうくらい楽しい板。
当然、それだけじゃない。
ラビットにも共通する要素、つまりとてもいい動き、それは大人系の派手目な動きのフィーリング。
例えば、あなたがその日いつもの楽チンサーフボードの代わりにパッとこの板に持ち出しても、およそスラスターに持ってるイメージとは真逆の極上テイクオフ。
そして動きはハンドリング・マシン。波のタイプも選ばないから、どこにでも持って行けるよ。
今日ごらんいただくのは、なかでももっともシンプルなベース仕様の顔つき仕立て。
クリアー、ウェットサンド・フィニッシュ、FUTUREフィンシステムで製作進行中のもうすぐ出来上がりの1本。
サイズのイメージは、7'0"あたりがど真ん中で、もちろん前後サイズに対応。
普通のスラスターとは違って世界的極上レベルのレジンティントやオパークで、グロスポリッシュ・フィニッシュにグラスオン・フィンっていうのもすごくカッコいい。
すべてカスタムオーダー製作で、ベース価格は¥135,000(税別)から。
近日、サイト内に専用ページを作りますが、いつでもカスタムオーダー可能ですのでご相談ください!
