2015.09.12 UP DATE
Advanced Sting Concept

2015年、来日シェイプ・プロジェクトの間にリッチ・パベルは2つのスティンガー・デザインをクリエイトしました。

エムズのサイトや、ある時はFacebookなどでも小出しにご紹介してきましたが、その中の何本かがグラスワークの出来上がりが近づいてきたので、そろそろコンセプトの驚きの中身をご披露し始めましょう。

完成した2つのモデル、"Cherry Bomb"と"V-Land"です。
こちら、7'0" V-Land

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その前にスティンガーの歴史を簡単に振り返りますね。


スティンガーは70年代の半ば、ハワイの名匠"ベン・アイパ"の手でデザイン・シェイプされ、"AIPA"のホットなチームライダー達のライディングでシーンをにぎわせました。

当時、世界の波乗り中心地として多くのサーファーが足と眼を向けたハワイは冬のノースショアでのビッグウェウーブ・パフォーマンスシーンの一方で、同じノースでもスモール〜ミディアムの波や夏のサウスでのファンウェイブはハワイアン独特の派手なパフォーマンス・サーフィンのステージでした。

そんなシーンで注目の的だったのがバテンス・カルヒオカラニ、マーク・リドル、ラリー・バートルマン等。
彼らのアイパ・スティンガーで繰り出す、速くてトリッキーで派手なパフォーマンス・サーフィンは当時の普通のシングルフィンでのサーフィンの常識をくつがえしました。

そのムーブメントはすぐにカリフォルニアに伝わり、間もなく届いた日本でもほんの一時期の間とはいえスティンガーだらけみたいな時もあったんですよ。

いつもいろいろな歴史的なサーフデザインの説明をする時に同じことをお話ししますが、60〜80年代はたくさんのデザインが現れては消えるをくり返す時代。
スティンガーもいつの間にかシーンのメインストリームから外れていきました。


さて、リッチ・パベルはあらゆる歴史上の名デザインのアップデートから未来系デザインまで、本当に数えきれないデザイン・シェイプのマスターですが、当然ながらスティンガーは彼の引き出しと経験に組み込まれています。

そのデザインが驚くべき新発想でよみがえりました。
それが、チェリーボムとVランドの2つの、まったく新しい先進のスティング・デザイン。

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単なるスティンガーのオマージュやアップデートではありません。
ですから、まったく独自のモデルネームを与えることになったのです。

誰でもすぐに眼に入る特徴、ほとんどボード全長の中心付近のレールにほどこされた大きなドロップウイング。
このドロップウイングがターン時のレールの仮想ショート化的な働きをすることで、ターンへの速いレスポンスとクイックなターンを生み出す仕掛けです。

リッチ・パベルはウイングデザインにも多くのバラエティを持っていますが、どのウイングでも実はその働きはひとつではありません。
波のどこで、あるいはどういう動きの中で、といった条件の中で働きがマルチなのです。

2つのスティング・デザインでは当然ながら上で説明した元々の働き以外にも、ダウンザラインでのラインの自由度とホールドの快適さ、大きなカービング時での回るラインに対するレールのホールドパワーを持たせています。

これは実に驚きの発想であり、これを実現させるボード各部のデザインの調和は最高度です。

さてなぜに2つのモデル、デザインに分けてあるか。

ここにもリッチのマジックがあります。
サーフデザインとしてライダーが楽しむことが出来るフィーリングのイメージがとても広いので、大きく2つのプラットフォームに方向性を分けることで、そのフィーリングとサーフィン的特長に選択肢を容易したということです。

"チェリーボム"、"Vランド"、2つのモデルは、上で紹介した機能的な特長を共有した上で、ボトムデザインとそれに組み合わせるフィンセットアップのバリエーションがデザインされています。

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今日まずここでその一つ、"V Land"を軽くご紹介。
この1本はクアトロ・コンケーブとクアッドフィン・セットアップ、そしてスワローテールとの組み合わせ。

こちらも例えばテールデザインは、ダイアモンドも選べますし、ボトムデザインもダブルコンケーブ系やスライトVeeなどとの組み合わせなどで強調される性格が変わりますので、カスタムオーダーではそのリクエストに応じて姿は変化しますよ。

この板のチューニングを大雑把に云えば、2つのモデルが共有するさきほどの特長をベースにプラス、良い波では超極上の、そして小さな波や力のない波でも回転性や小さめな弧の動きでも速くしなやかで自由度の高いフィーリングを持っています。

実はこの板、私たちにしては珍しく、カラーワークは歴史上に残る名シェイプの顔付きをオマージュしてみました。
そりゃまた今度お見せしましょうね。

そのオリジナルデザインを元にして、なにしろこのダイナミックなシェイプを際立たせるデイテールのアイデアと、それを見事に実現する山王のスーパーテクニックとの調和をご覧いただく予定ですのでね、お楽しみになさってください。

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で、いつものPAVEL山王ラミネートとフィンをカラーマッチさせて、控えめにオリジナルアイデアを加えました。

グラスワーク途中のいくつかの写真でご覧になれるのは、ボトムのアウターコンケーブを見事に再現する様とサンディングを終了して細部のチェックを待つ姿。

デッキに入れられたシンプルでとても細いピンラインはもちろん樹脂。
こちらもこれから細かい修正で整えられた後、いよいよグロスレジンコートへと進みます。

この板と前後して何本かが仕上がってきます。

さてさて、おースティンガーのレトロスペクティブね、なんちゅうね、錆びたアンテナで捕らえたワードで勘違いしちゃダメ。

またもや現る、完全おニューなサーフデザイン!

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