2015.05.04 UP DATE
PAVEL Cherry Bomb

やはり出ますね、リッチの来日中ニューデザイン。

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リッチさん、ホントの話でよく言うんですが、日本で我々と制作していると今まで寝せていたアイデアや新しく完成するデザインが出来るよ、と。
ニューデザインとしてはすでにゴールデン・エッグが巻きが進行中ですが、そのビックリが終わらないうちにコレだ。

ごらんの通りこの板、キャリアのあるサーファーならみんな知ってる、そしてもっと若いサーファーでも広い興味を持っていれば見たことがあるでしょう。
スティンガー・デザイン、モデル名は "Cherry Bomb・チェリーボム" です。

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エッグにしてもスティンガーにしても、リッチはこれまでのキャリアにたくさん製作していますが、いずれもまったくのニューデザインとその完成度の高さはこれらにモロに現れています。
では、今日はこの新しいチェリー・ボムの最初の紹介と、ちょいとばかりFeatureをお届け。


<モデル名の由来は、また今度>

スティンガーは70年代のハワイはベン・アイパ氏によって編み出されたアイデアとデザインで、シングルフィン時代の当時、"動く板"として大ヒットしました。
ハワイの大きなパフォーマンスウェイブ・サーフィンが全盛をむかえて、世界中(といってもハワイアンとオージー、そしてカリフォルニアンね、ほぼ)のサーファーが冬のノースに乗り込んで競い合い、磨き合う時代でした。
ジェリー・ロペスの美しくてきわどいパイプチャージ、BKやフレッド・ヘミングスらのビッグウェイブ・ライド、そういったハワイアン・サーフィンにオージー達が競うようにチャレンジしたその少し後。より、マニューバー・オリエントなサーフデザインとしてスティンガーは登場しました。

冬のノースだけでなく、夏のサウスでもラリー・バートルマン、デーン・ケアロハ、バテンス・カルヒオカラニといった現代のパフォーマンス・サーフィンの原点を表現したサーファー達と一緒にスティンガーは一気に注目の的になったわけです。
ハワイアンだけでなくオージーの中でも特に動きの目立つマーク・リチャーズもヘビーユーザーの一人でしたね。

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もちろんそのムーブメントはカリフォルニアにも即、飛び火して一時はどのメーカーやシェイパーもスティンガーをシェイプしたものです。
同じく少し遅れて日本にもその勢いは伝わって、スティンガーだらけの一時代があったくらいです。

過去に現れて一度は消えたサーフデザインの中にはとても高い機能性と発展のポテンシャルを持ったものが多い事は、フィッシュやハルやエッグ、ちょっと意味は違いますがロングボードの再発見なども含めて証明されています。
そしてそれらは本当に優れたデザイナー・シェイパーの手によって現在のシーンに紹介されて、時には大きなムーブメントになりシーンを左右するほどの影響をもたらします。それが大きければ大きいほどマーケティングにも反映されるわけで、早い話がうんと流行ると誰でもマネして作るという状況。

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これはそのオリジナル時代も今も変わらない事の流れでしてね、たくさんのサーファーが違う遊び方にも目を向け、より楽しむという良い効果がある一方で、流行れば流行るほど表向きそれらしいサーフボードだらけという危険も避けられません。
穴開けたジーパンが流行れば、穴だらけ、と一緒。ジーパンはいいやね、しょせん穴だけですから。

で、サーフィンがどんどん新しいもの新しいものという一つのベクトルに皆が向かう時代が終わり、それぞれのサーフィンの感触やアイデアが一人一人のサーファーに作用する時代に変わり、その事で過去の優れたデザインの発掘と再開発によるいくつものサーフボード・デザインによって、今やサーフィンとサーファーは解放されたわけです。
今も言ったように、そういう中には、いやむしろ流行れば必ずそれぞれのデザインの本質とはかけ離れた代物の比率が高まります。
ここだけは同じ事でも何度でもはっきり伝えなければなりません。だってここスベったらゼロですもの。ガッコや会社の試験と違って合格発表なんてしてもらえませんから。
だーからサーフィンはおもしろい。
まあこの辺は以上で、ね。

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で、スティンガー。私もさんざ浴びた世代ですから、まあだいたい誰と話しても、当時の板のキャラについての記憶は同じようなものでして、"動いたよね"、と。
実際このデザインの基本的な性格として、これは間違っていません。先ほども説明した通り、たいていの板は今の水準で見ると長めで、しかも細身のピンテールあるいは同じくかなり絞られたスワローテールなどのシングルフィンで、現代的なマニューバー性以前のもの。

そこに明らかに現代的なマニューバービリティを持ち込んだのがスティンガーでして、特にバテンスらの動きはスーパーなカットバックやバックサイドのアイデアなんか今見たってヤバいですもの。
それらは冬のノースのビッグウェイブではなく、同じノースでもあまりバカでかくないベルジーランドや夏のサウスのパフォーマンス・ウェイブでご披露されたものだからみんな飛びつきました。

なのになぜそのスティンガーが一時代を終えたかというと、つまり次の新しいデザインが出てきたからでして、ところがとても高い機能性と発展のポテンシャルを持った素晴らしいデザインだったことを知るシェイパー達がいます。

リッチ・パベルは今までのキャリアですでにたくさんのスティンガー・デザインをシェイプしてきていますが、今回やはり日本で完成させた新しいデザインは一気に別次元に突入しました。

ですからモデルの名前にはスティンガーを名乗りません。さらに進化してまったく新しい発想とサーフデザインをほどこしました。
だからこの板、チェリー・ボム、です。

実はそのレイアウトの細かい説明をリッチさんから聞かされてはいるのですが、作り手にとっては企業秘密がたくさん含まれているわけで、それらデザインの決めとその調和の約束事を私が勝手にぺらぺらと垂れ流すわけにはいきません。
ですから最初に書いたように今日は最初の紹介ということで、そのキモとなるFeatureをちゃんとお話しして締めますね。

"動く板"、という事はこれはまず特筆しておきます。
一方、このデザインの最大の特徴、板の真ん中よりにほどこされたでっかいドロップウイング、これがとにかく他に無い働きをする大事なパートですが、これは当然の事ながらアウトライン・各部のカーブ・ロッカー・フォイル・縦横斜めのあらゆる方向性のボトム・デザインとレールやエッジとの関連性。

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これら全部が、ちゃーんとしたワケを持ち合いながら釣り合って初めて働きますし、まあむしろ逆でして、コイツをこう働かせるんだからこう出来てなくちゃね!、という順番ですべてが整っています。

現在も普通に組み合わされる、ある意味スティンガーの定番とされているスワローテールではなく、絶妙なダイアモンドテールとの組み合わせもリッチさんにはとても大きな大事なパートです。

とにかくとても良く動く板です。それだけなら他にも選択肢があります。
特に他に無い大きな最大の特徴のひとつ、例えばスピードのあるどっかんカットバックでのライン・トレースパワーと高速回転しつつのコントロール性と安定性は化け物である、と。
そのようにリッチさん、言ってます。間違いないでしょう!

しかも細部のアジャストでおよそすべてのフィンセットアップに対応したシェイプが出来る!、とのこと。
つまりこれは良く出来たフィンとセットアップ(フィンの置き方だけじゃダメですよ、シェイプを設計するところから始まるセットアップですから)であれば、そのフィンセットの一番の特長とこのデザインとの組み合わせを選べるという事になります。

ちなみにこの1本目、クアッドです。

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