2015.04.10 UP DATE
Race Tracker

昨年だったか、いやたぶん一昨年、リッチ・パベルが来日シェイプの折りにリリースしたいくつものニューデザインの中にある、"Race Tracker" についてちょっと詳しく説明した記事をどこかに書いたんです。

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自分で書いておいてあやふやなのもいけませんが、そのタイトルというか切り口は"トラッカー・デザイン"といったものだったように記憶してます。

リッチさん、今年はブランクスの準備に時間がかかってスケジュール変更して、ついにこの週明けにご登場ですが、昨年・一昨年と2度の来日シェイプ・プロジェクトでは初めて目にしていただくモデルやデザインをいくつも披露してます。


それは新作もあれば、実はすでに完成しているもののアップデートだったり、いろいろなデザインが混在していまして、彼はもう本当に数えきれないくらいのデザインとその引き出しを持っています。


さて、トラッカー・デザイン。


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これはつまりリッチの表現する、言わばサーフデザイン、つまりある種の傾向をくくったサーフボードの種類を表すようなものです。

デザイン上の細かい決まりを持ったものではありませんが、たとえば、EGG / FISH / Hull / Noserider / Speed Shape、などといったようね。


こういう呼び名はいかにもサーファーらしい、その感覚を捕らえたものですが、そこにはカタチや各パートの造りに厳格な決まりが無いぶん、そのターゲットに命中させつつ作り手のアイデアと創造力とサーフボードとしての出来に大きな違いや差が現れます。


ここ、どんなサーフボードでもたいへん面白いトコのひとつでして、手に取ってディテールを見なくてもたとえばカタチをぱっと見ただけで興奮しちゃうような恐ろしい説得力を持つものもあれば、うーん?まあねえ、みたいなものまでね。


そこにはダイナミックなカーブが仕組まれていたりもすれば、大人しそうな中にホントにヤバくて決まったカーブを整えていたり、中にはカタチのどこかにあからさまな分かりやすいアイキャッチを組み込んでダマす、っていう手もありだけど。


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とにかく結果、そこはもう作り手の発表会なワケです。

とまあ、ちょっと回り道しましたが、トラッカー・デザインというワードはそういうもののひとつです。


しかもまた、トラッカーには決まった長さはありませんから、比較的短い、例えば6'前後からおおよそ8'前後までのミッドレンジまでと、幅の広いサイズレンジで展開します。


メーカーの看板ライダーというのは、たいていの場合そのメーカーなり製作者のある種ビジネスパートナーとも言えますが、リッチはそういうライダーとの関係がありません。すべてのPAVELボードユーザーは有名どころから私たち普通のサーファーまでみな同じ。


ですが、やはりリッチさんともなるとたくさんの有名どころが、彼の板に乗りたくてオーダーなりアイデアとリクエストを抱えてやってきます。で、その中にはスポンサーに恵まれた世界中の目を惹くライダーや、中には自分でもサーフボード作りを始め学ぼうとしているサーファーなどもいるわけです。


そういう彼らにある程度共通した特徴として、短いオルタナティブボードからロングボードまでのたいていは普通のスラスター以外はあらゆるデザインでサーフし、それぞれのデザインを自分の波乗りで表現するという才能ですね。


多くはここでヤラれちゃうわけですが、手の上げ方やヒザの曲げ方ばっかりマネしても???でして、つまりその波乗りアプローチとダイナミクスの感触に気づくサーファーが美味しいコアに近づきます。


そんな成り行きで表面化したトラッカーは、その典型的な波乗りをこの画で見ることができます。これは私もエムズのサイトや同じくFacebookなどで何度かご紹介しましたね。



ここで見られるようにこの中に登場するトラッカー達はおよそミッドレンジが目立ちます。ここはそれがこのデザインの決まりと捕らえていただく必要はないのですが、サーフィン的特長を良く表していますな。

つまりやや長さのあるサイズの滑走スピード、(今のところ代表的な組み合わせの)シングルフィンのスピーディーさとクリーンなライン、そしてリッチはその二つの要素と完全フィットの動きの積極性を組み合わせました。


この動き感は他のどのデザインとも違うもので、これがシングルフィンなのかと疑うようなカーブの行き先にまるで板が自分から向かうような感触です。


これこそがリッチの言うトラッカー・デザインのまったく新しいところで、いろいろな短い板の持つ動きとロングボードの滑走力の両方をメモリーしているサーファーにとって新次元サーフデザインというワケですわ。


ここで流行商業的な物言いすれば、"キーワードはミッドでシングル、ちょっと仕掛けのあるレールとボトムに注目"みたいなフレーズを繰り出すだろうが、私は云わん。


だってそれだと本物をみつけられないでしょ。


ここ最近は大御所もトラッカーを名乗るモデルをリリースしたりし始めて、賑やかになる気配が出てきましたがこういう大人びた感覚はムーブメントが広く伝わるまでに時間が多めにかかるもんです。それでいい。


あれ、結局流行らせたいのか?、と訊かれればシメシメ。

もうちょい多くのサーファーがまだ知らないサーフィン体験を加えるのは波乗り人生じゃないの!


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そしてムーブメントに発展していろいろなフォロワーがマーケットに現れる中で、本物を嗅ぎつけたサーファーにそういう板をお届けするのが私たちの使命なんです。
あのね、本物って言ったって、ちっとも恐くなんかないですよ。
本当のフレンドリーはそういうこと。

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