今年はやっとコロナ禍の入国制限が従来通りに戻って、3年ぶりに日本にやってくることができたリッチ・パベル。
2ヶ月以上に渡った来日シェイプはスケジュールを終了して、リッチはいつものように、いやそれ以上に素晴らしいシェイプをエムズ・山王に残して離日したのはすでに先月。
スケジュールを目一杯にシェイプに集中してくれましたが、それでもストックボードは少なくない本数をキャンセルせざるを得ませんでした。
もちろんシェイプが済んだストックボードも順次グラスを進めますが、まずはカスタムオーダーからということでグラスワークが進んでいます。
お待ちいただいて、溜まりに溜まったカスタムオーダー、そしてその後に控えるストックは今までにまして貴重な板たちになります。
さて、今までにも何度も紹介しているテーマ、ボードデザイン同様にとどまることを知らないリッチのフィンデザイン。
すでに山王のフィンテンプレート箱にはとってもたくさんのPAVELフィン・テンプレートが入っていて、色々なモデルに合わせてリッチの指定のフィンが製作されてフィットされグラスオンされます。
それに例えばフィッシュのためのフィンでも、たくさんのテンプレートが用意されていて、それらをそれぞれのボードのために指定されるのですが、同じモデルでもオーダー主のリクエスト内容などによって選ぶフィンが違ったりするのはいつものこと。
今回もリッチは10種類のフィンテンプレートを持ち込みましたが、今日はその中から主にフィッシュ用に追加されたものを紹介しましょう。
リッチ・デザインのPAVELフィンを多くラインナップする、TRUE AMESの親方チャック・エイムスのハンドフォルによる元型となるボランフィンが3型。
そして101フィンカンパニーによるバンブーフィンのプロトがひとつ。
これらの元型からテンプレートを作成して山王ファクトリーで製作されていきます。
これ、RASCAL用のニューテンプレート。
すでにラスカルには2種類のテンプレートがその個体の指向に合わせて選んで使われています。このニューテーンプレートはそれらの追加されました。
同じく個体のサイズや指向に合わせて合計3種類から選ばれることになります。
そしてこれ、今年リリースすることになる、TRIBUTE FISH用。
トリビュート・フィッシュはすでにトピックスでも簡単に紹介していますが、このフィッシュもまた劇的に素晴らしい板でお披露目するのが待ち遠しいモデル。
これは、D KEEL Dフィン系のキールということですね。
リッチはこのフィンをストリンガーレスのフィッシュやツインフィンのためにデザインしました。ストリンガーレス独特のフレックス性との機能的、そして感触的フィットが良いとのこと。
なぜかバンブーフィンで製作された元型のこれも、もう一つのトリビュート・フィッシュ用で、片面フォイルのポジティブなフレックス・フォイルパターン。
こちらのテンプレートもグラスでそのフレックスパターンを再現したフォイルで製作されることになります。
これらの他にも、シングルフィン・ロングボード、クリンカー、レーストラッカー、クアッド、3フィンボンザー・ライナーなどなど。
もちろんものによっては専用というだけでなく、他のボードデザインとのフィットの良いテンプレートたち。
PAVELボードを求めていただく皆さんにお話しすることが多いですが、リッチのデザイン引き出しは無限と言ってはなんだが、そう言いたくなるくらいの発展と拡張性。
思えば当たり前ですが、フィンは単なるパーツではなくサーフボードのそのまま一部である以上、こちらもデザインが拡張するのは、リッチの場合は当然。
デザインされ切ってチューニングされ切ったフィンたち、リッチのシェイプとのコンボを楽しんでくださいね。