グラスオン3本・その1
2023.09.23

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FANTASTIC ACID, 7'6" Rounded Hull 作者トリスタン来日山王製作でのみ可能なグラスオン仕様。残り少なくなりましたが、フィーチャーを少し違う角度でご紹介。

 アシッドのピュアハル・ライン代表モデルが、ラウンデッド・ハル。
もう名前の通り、とても豊富なカーブを持つアウトライン。ディスプレイスメント・ハル全般を見渡せば、このようなつまり大きめなノーズと少し小さめなラウンドテール、基本的にはプランシェイプは広め。

今ではちょっと単純にすぎるのであまり表記されなくなりましたが、昔からアウトラインの3サイズってのがあって、ノーズから1フット・最大部・テールから1フット、長さにプラスその3ポイントそれぞれの幅で表す。
同じ長さでその3ポイントが同じかほぼ近ければ、アウトラインも同じようになりそうなものだけれど、ところがカーブの連結性とその配分はいわば無限だから、仮にそれらの数字を共有してもカタチは驚くほど違う。
まして長さプラス3ポイントを揃えても、最大幅の上下位置がちょびっと変わるだけでカタチは無制限。

そこを踏まえて言えば、このアシッドのラウンデッド・ハルのアウトラインに含むカーブの豊富さは特筆です。
もちろんそれは当然ながらさらにカーブの描き方の細密なロッカーとフォイル(デッキロッカーとボトムロッカーによって作り出されますね)との調和が図られ、それらの要素の絡まりによってアウトラインの働きが変わる、がらり!、と。

丸いからすごいではないけれど、このモデルのそれらの調和の成功は、まして長いレールを作用させる場面の多いディスプレイスメント・ハルの唯一無二のサーフ感触にもたらす濃度の最大化に成功しているところは、ここも特別なポイントです。

ファンタスティック・アシッドに限りませんが、私たちエムズが扱うそれぞれの銘柄では同じモデル同じサイズでも、ボードの主要各部のコントラストをとても広く作り分けます。もちろんそれはそのモデルの骨格を壊すことなしにですね。
そういうことは単にカスタムオーダーだけでなく、ストックボードでもそれらを手にするサーファーがどこにピンとくるかは私たちが押し付けることではないから、色々なバラエティを作り分けます。

この1本、この個体について言えば、ハルらしい十分な幅と最大厚を与えてハルのボリュームポイントを豊富に、ノーズ・テール・レールは結構積極的にフォイル・明確に薄め。
結果、ボトムのベリーはとてもディープに、ボード後半部のフレックス性も高い。

ということは、同じこのモデルの中でもシェイプのコントラストが強く、ハル感触も濃厚、という仕立てです。

ディスプレイスメント・ハルはこれにハマるサーファーの多くは慣れるに従い濃度を求めるものだから、この個体は、このくらい行っときましょうよ、の1本。

加えてグラスオン仕様。
グラスオンがいい、とか、ボックスがいい、とかには結論も優劣もありません。
あえて言うと、潔い。

フィンはもちろん平織りボラングラスから切り出されてハンドフォイルされた、ファンタスティック・アシッド・ボラン・フレックスフィン・ナローベース。

カラーも凝りました。と言っても、もちろん派手じゃない。
写真でどれだけ伝わるか、てのは写真では青味寄りを感じさせるかもしれませんが、実はにごしを含んだ微妙で薄い緑味のニュアンスで洒落て。
このような雰囲気のカラーをポリッシュで上げるのは度胸要ります。仕事がもろに見えるからだけど、仕事がこのステージだと見れば一発でやられます。

この1本は、FANTASTIC ACIDのストックページでご覧いただけます。
もちろんご来店いただいて、そのものを見ていただけると嬉しいです。現物、やばいですから。

ぜひご覧ください!