Fantastic Acid, アシッドにニューモデル!
2022.12.25

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カスタムオーダー参考モデル紹介、14モデル目としてラインナップに追加。
まだモデル名は届いていませんが、とりあえず私は、MP WONDER / MPワンダーと呼んでます。
2023来日制作カスタムオーダーのご参考にどうぞ。

*他のモデル過去ポストはこちら
11月14日・PROGRESSIVE MODERN HULL / プログレッシブ・モダン・ハル
11月15日・ANTISTATIC HULL / アンティスタティック・ハル
11月19日・FISH HULL / フィッシュ・ハル

11月26日・ROUNDED HULL / ラウンデッド・ハル
11月29日・V-BOTTOM / Vボトム
12月2日・SPEED HULL / スピード・ハル
12月4日・STUBY / スタビー
12月5日・PARALLELER HULL / パラレラー・ハル
12月5日・PARLEMENTIA HULL GLIDER / パーレメンティア・ハル・グライダー
12月14日・FLEX TAIL / フレックステール
12月16日・FLEX SPOON / フレックス・スプーン
12月18日・SPEXIAL MODEL / スペシャルモデルたち

このニューモデル、カタチを見てどんな板を想像するでしょうか。もちろんアシッドの板ですからハルです。
トリスタンが言うには、どっぷりなディスプレイスメント・ハルのキャラクターは少し引っ込めたという、ある意味セミ・ハルです。

トリスタンがこの板に何を求めたか?
彼自身の興味を形にすることから始まりました。7'6" x 20 3/4" x 3"、ソフト・ハル、フラットパネルVEEテールエリア。
そして大事なフィンは9.5"のミディアム・フレックスをテール後方に寄せたセッティング。
この板とフィンの組み合わせによるデザインの目指すところは、よく知られるマイケル・ピーターソン・ハルのトリスタン自身の解釈を発展させて体験することが何より重要課題、という、いかにも彼らしいサーフィン&サーフボード学者のような説明を聞けばいつも通り興味をそそられます。
ターゲットは普段の小さい波からいいサイズまで、波のクオリティに左右されないデザイン。

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多くのサーファーにとってマイケル・ピーターソンは、過去の伝説の中から特別な存在としてインパクトのある名前だと思います。
モーニング・オブ・ジ・アース、少し前にこの映像作品はリバイバルされ、それを見たサーファーも多いと思いますが、その中で作品の支柱のひとつがマイケル・ピーターソン / MPのパート。
MPのサーフィンはオーストラリアはもちろん、カリフォルニアのハル・ガイたちにも影響を及ぼしています。
それはここでも紹介する、あの写真に象徴されていて、その時のあの板とサーフィンがそれ。

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MPは当時の多くトップーサーファーたちがそうしたように、自らがデザイン・シェイプした板で自身のサーフィンをアピールするのですが、実はあの板以降はデザイン指向が変わります。そこいらへんの先の話はまた別の機会として、ここではあの板をマーク。

あの板が、カリフォルニアでハル・ガイたちに及ぼした影響は、幾人かのシェイパーたちがいずれかの言い方で自らのラインナップにMPというワードを含むモデルに反映しているのをご存知でしょう。
それらは主にいわゆるスタビー系のプラットフォームに行き着いています。トリスタンの仕業の面白いところはプラットフォームを写し取るのではなくて、あの板でのMPサーフィンをアシッドの濃厚ハルラインのちょっと外に出したサーフデザインとしたことです。
なぜならいずれにしてもMPコンセプトを具現化すれば、それはハードコアなハルのキャラクターには達さない、ある種の中間種になるのですね。

ですからアシッドに加わるこのニューモデルはラインナップの中でも、先日も紹介したスペシャルモデルたちとはまた違う意味で別な指向のサーフデザインです。
ちょいと簡単に言えば、上でも紹介した通りボード前半はソフト・ハル・後半はクラッシーなVEEパネルをボトムデザインに持つ、ハルをエンジンにしたシングルフィンということになります。

ハルをエンジンにしたことでスピードと突破性の高さはもちろん、動きのひとつのトピックは言わばMPカットバックに見つけられます。
上でも紹介したように、単にボードデザインとプラットフォームだけでなく、フィンとフィンポジションのデザインが明確にその狙いを表しています。
それはMPが見せるクイックでスナップのあるカットバック。

トリスタンの何日かに渡るテストライド報告では、この板のライドはびっくりするほど簡単でナチュラルで融通が効いて、カットバックもレールを引っ掛けたりせずに回せて、その後は難なくホワイトウォーターまで伸びる、と。
波のキャッチも簡単で掘れた波でもホールドが良くて、何本かカバーもゲット(チューブというほどじゃないけど、かぶる、というやつですね)したけどテールもぜんぜんスリップアウトしないよ、と。(この、カバーのセクションはこちらの短い動画でご覧いただけます)
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フィンポジションは基本的に後ろよりのデザインだけど、もう少し前のポジションでの動きも試してみるつもり。

この板はとっても上手くできた成功作で、ひとつだけ問題は、ライドが簡単すぎるってことかな、ウヘヘ。
しばらくこの板に乗り込んで改善点を洗い出して修正して完成だよ、ということでした。

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ここでは比喩としてMPカットバックなんていう言い方をしていますが、つまりそれはスラスター以降のこんにち的なムーブとは違って、ちょっとピボット的に回してポケットに戻すといった感じの動き。
いろいろなターンの中でもいいカットバックは簡単じゃないけれど、スピードをキープしたショルダーのハイポジションでピボットに回ってスープに向かって走り戻るという1連の動きがしやすいとなれば、それがトリスタンがこの板にデザインした大事なキャラクターです。
むしろ新しい、ですね。

サイズレンジはモロにミッドレングスを中心点に、割と長短に広いそうです。
こういう板を1本持っていていいな、というモデルですね。

お問い合わせ、オーダーのご相談はどうぞご遠慮なく。

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