beige, Keel Fish
2022.07.05

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この板の注目すべきデザイン・アイデア、先日の初入荷時にも紹介したのですが質問をいただくことが増えてきたので、今日はまたそのポイントに絞って説明しましょう。

リッチ・パベルの説くFISHの秘伝(と言うと大袈裟だけど、実は大袈裟どころか的の真ん中)が、加速フォイル。

作者のジャック・デルレニーはその加速フォイルのフォーミュラを具現しつつ、ファクターのひとつである慣性モーメントのコントラストを強調したフォイルを与えたのがベージュのキールフィッシュ。
この板、ここにポイントに注目です。

ジャックの説明と彼の周辺のサーファーたちのリポートを交えてお話ししますね。
写真でご覧いただけるように、デッキのノーズ寄りのアッパーレールにチャイン(峰、ですね)が見えます。
ちなみにここで出てくるチャインは、PAVEL WIDERやEISHINのチャイン各モデルが持つ、アンダーレールのチャインとは違うものです。

このようなアッパーレールのチャインは一般的には、フラットデッキやコンケーブデッキなどのデッキデザインを持つ板に採用されることが多いです。

ベージュのキールフィッシュでは上でも言ったように、ノーズよりの一部のエリアだけにそれを用いています。そこからセンタ〜テールに向かうデッキシェイプはナチュラルなクラウンで、ちなみにそのクラウンもこのモデルに特に採用されたレールフォイルと調和しています。
これはつまりノーズの限定的なエリアだけにフラットなデッキをシェイプすることで、そのエリアのボリュームを少し残し、それによりボード全体のフォイルの中でノーズ寄りにわずかなウェイトを与えてフォイルバランスの中で回転慣性をやや強める狙いです。

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上でも説明したようにベージュ・キールフィッシュはリアルフィッシュを追求したモデルです。
しかもジャックにとってログライドは重要なパートでもあることで、このキールフィッシュのデザイン・シェイプにもターンから取り出すドライブと、走りに直結する慣性モーメントを強く求めた結果、このキールフィッシュが持つフォイルバランスを与えたデザインにしました。

そして彼自身と彼の周辺のサーファーたちからのこの板のリポートは、デザイン・シェイプの狙い通りのサーフデザインを実現しているとのことです。
オルタナティブなボードシェイプやミッドレングス、それにログなどにも馴染みのあるサーファーたちにとってこのキールフィッシュは、十分なレールワークでより大きく深くターンを回しドライブと動きの大きさを表現する波乗りメンタリティに喜ばれている、と。

で、そのような話をジャックとやり取りする中で彼の説明の中でわかったことの一つ、それはアベレージ・サーファーにとってはシンプルに乗りやすい、またいい動きを整えやすいフィッシュの最適解の1本になるということです。
パワーとサイズのない波でのこのモデルのパフォーマンスについて聞いている中で、むしろターンからドライブを引き出しやすく、またカットバックやバックサイドターンでのその前の動きとスピードを維持するのが容易というポイント。

もしみなさんがジャックの言うような波乗りメンタリティを持っている、あるいはその感じいいねって感じるサーファーならぜひお勧めする1本です。


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おっと、ところでただのアンダーレールの白いところが見えるこの写真、ピグメントなのでボトムでの説明ですけれど、カットぎわ、とてもいい仕事です。
いつも紹介していますがジャックはStart to Finish、つまりデザイン・シェイプから巻きの全てのプロセスを彼一人で作り出すシェイパー・ビルダー。
ジャック君、巻きもどんどん腕あげています。


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