PAVEL 6'6" KLINKER
2021.05.31

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パベル・クリンカー、どう特別なのか紹介しましょう。
ご質問をくださるみなさんは、普通と違う特別なチャンネルらしい、ということはどこかで聞いていても何が違うんですか?、とおたずねになります。

まず、普通チャンネルボトムはベースとなるボトムの面デザインがあるものです。例えば、フラットであったり、コンケーブであったり、スライトVEEであったり、などなど。
そのベースとなるボトムの面が削り出された上でチャンネルが掘られる、というデザイン&シェイプのプロセス。

リッチ・パベルがクリンカー・チャンネルと呼ぶデザイン&シェイプは、そこから違います。
シェイピング・プロセスは大変高度な技とノウハウなので企業秘密扱いで、そこは解説できません。
ではその姿がどう違うかをお話ししましょう。

クリンカーはチャンネル1本1本の角度が少しづつ外に向かって角度が変えられていています。これを位相変異、フェイズ変異などと言います。
例えばチャンネルがVEEの上に掘られているとしましょう。その場合は各チャンネルのエッジはVEEの断面に揃って並び、なおかつチャンネルのスロットの底面も同じ角度を持っています。

ところがクリンカーでは少しづつ外に開く各チャンネルのエッジは両隣りのエッジとそおれぞれレベルが違います。そしてチャンネルのスロットの底面も同じように少しづつ外に開いて角度が変えられています。

ここでそもそもの話になりますが、一般的にはチャンネルボトムはスピード性や直進性、そしてラインのホールド性に優れるのがまず最初の特長です。
一方で、仮に同じプラットフォームでチャンネルを与えられると、場面によってはターンや深く回すカービングの固さが生じます。
つまり、基本的には波のサイズ・パワーがあり掘れた速い波が得意科目と言えます。

クリンカーは特別大きな波専用ではなく、普段の、なんなら小さい波から、どんなサーファーでも好むアベレージ、そしてパフォーマンス・ウェイブがフォーカスされたデザインです。
チャンネルが生むドライブ・スピードを最大限に持ったまま、各チャンネルの角度変異によって、板のボトムが波に対して角度が連続変化するどんなターンでも起きている動きを、滑らかにサポートする働きです。
その滑らかさは、チャンネルのない例えばカーブ断面の滑らかさとはまた違う、板の波に対するむしろ積極的な角度変化を持ったものです。

経験者がチャンネルについて持っていがちな印象とは、まさに真逆の深く回り込むカービングや際どいポジションでのターンなどを、どんなデザインよりもサポートするのがクリンカーです。

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今日は現在1本だけストックのある6'6"クリンカーの写真を見ていただいていますが、どうでしょう?、写真だけ見てもだたのチャンネルとすぐには見分けられませんね。
リッチ・パベルが数年前にこのクリンカーをリリースすると、それを追ってSNSシーカーのたくさんのシェイパーさんたちがどんどんチャンネルボトムをフォローするようになりましたが、同じように写真からはその造りを見極められない。
それもそうですが、最初に企業秘密扱いと説明したシェイプ・プロセス。これはもういつもそれを見ている私も、"そもそも誰もマネできんだろう!"、ということが理解できます。

だってストリンガーを挟んで6つのフェイズ変化するチャンネル、それはボトム中央部からテールエンドへと変異量そのものも連続変化しつつ、しかも板の長さによってそれらは全て変化パターンが変わるんです。
リッチ・パベル、恐るべしの一幕です。

そういうわけでクリンカー、全く似たもののないのは、つまりサーフィンに反映されます。

ちなみにこのストック1本は、贅沢にもアイソフサリック・レジン(普段は、アイソレジンって呼んでます)で巻いたクリアですが、レジン自体がものすごく淡いシャンペーン・カラーなのでラップはカットです。
チャンネルの中にカットがかぶさらないように、チャンネルからテールよりはエッジでカットだからデッキ・ファーストで。凝りました。

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