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長年、日本のサーフボード作りに大変大きな役割をしてくださった、スキルのおじさん(時に親しみを込めて、スキルの親父)こと、鈴木商会の鈴木さんが逝去されました。
数年前に藤沢日曜大工センター・鈴木紹介として長く親しまれた藤沢駅近くの橘通りから鵠沼桜ヶ丘にお店を移し後、ここ数年は何度か体調をくずされることもあり入退院も繰り返されていました。
湘南のインダストリーはもちろん、およそ日本全国のサーフボードづくりに携わるシェイパー・ビルダーの全ての者が、直接・間接に鈴木さんの道具やアイデアのお世話になったと言っても全く過言ではないほどです。
また、鈴木さんの元々のキャリアが多くの電動工具のエンジニアであることで、シェイパーにとって最も大事な工具、プレイナーのメンテナンスや修理においても世界中から頼りにされる存在でした。
エムズのメインシェイパー・リッチ・パベルもその一人で、来日ごとに鈴木さんの元に通いいろいろな用具の仕込みとSkil #100のメンテナンスをお願いしていました。
そのSlil #100をサーフボード・シェイプに駆使することを何よりのプライドとするシェイパーは世界中に多く、ディック・ブルーワー氏、ジェリー・ロペス氏など最も古くから日本との交流が長いビッグネームたちをはじめ、数え切れない数のシェイパーたちが、持ち込みだけでなく時には航空輸送してまで彼らのスキルのメンテナンスと修理を依頼していました。
そのアイデアとテクニックは、サーフボード作りの現場からの相談やリクエストに応える形で多くの専用工具も生み出してくれました。
それらの工具やアイデアは、世界のスタンダードになっているものすらあるのです。
スキルのおじさんこと鈴木さんは、サーフボード作りの現場だけでなく、私たちサーファーにもたくさんのプレゼントをしてくれました。
ご冥福をお祈りいたします。
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