PAVEL 9'9" BIG HULL,
2018.06.05

この板、名前はまだつけられてないけど、ビッグなハルです。

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典型的なロングボード・サイズのハルというと、私たちのお気に入りのひとつ、例えばマンダラ・ハンター/シーカーがあります。
トライプレーン・パネル・ハルに、ポイントノーズ/ピンテールのプランシェイプを組み合わせられた、グライダー系に分類されますね。

よく出来たハルが持つ強烈な推進性とドラッグから解放された感触、一般的にそれはミッドレングスまでは波の上下(ターンによる)と滑走方向へのスピード(横方向ですね)という両方にバランスよく配分されます。


一方ロングボード・サイズになると、それはターンでも滑走でも波の先方向への速さと推進性に配分されます。
縦横バランスから横バランスの強調に、と考えれば分かりやすいかもしれません。
それがロングボードクラスのハルをデザインするにあたって(どっちみち、そう多くはないんですが)、グライダー系のプラットフォームとフィットしやすい理由のひとつになっています。

さてこの板、そういう一般的な指向ではない。
ロングボード・サイズのハルでミッドレングスのような動きを実現できれば、速さもさらにヤバい画期的なビッグハルになるだろうというコンセプト。

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リッチ・パベルのデザインとシェイプ、デザイン・アイデアやコンセプトをストレートに仕立てるスーパースター系があれば、デザイン要素を誰も思いつかない立体的で斬新なコンセプトで組み立て完成させてしまう、そういうモデルが少なくありません。

この板も、まさにそれ。

ハル、基本を学べばある程度の決まりごとが見えてくる。それはハルのトラディションと言えます。
そのクオリティを突き詰めればすごく濃いハルライド感触に到達する一方、世間で(割りと無責任に、それとも受け売りで)言われているネガのいくつかを受け入れなければいけないのは、まあまあ事実。
私、個人的にはそれでも大好きですけど。

決まりごとの中のいくつかのデザイン要素と、今までは考えられなかった他の要素を見事に組み合わせて、誰も想像しなかったようなすごく濃いハルライド感触と機能性を造ってしまうのが、リッチ・パベルの魔法。
この、機能性を置き去りにしてないトコが、ただのお話じゃなくて説得力です。

これをサーフィンでは、楽しいとかファンなんて言ったりします。

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さてこの板、リッチの創造しようとした筋書きを実現するか、超えるか。
だってね、こういうとき、リッチのは実現するのは普通で、時々は筋書きすら超えますから。

ちなみにデザイン・シェイプの構造をあまり詳しく説明してしまうのは、PAVELの秘密も含まれるのでほどほどまでになりますけど、まずは何よりボトムのハルは見たことが無いくらいディープ!、です。
レールは決して単なるのピンチーではありません。
超ディープなハルでもあることから、レールのピークがとても小さく、同時にレスポンスと反発を両立したカーブ。