リポートです!
2017.06.09

PAVEL 7'8" Humpless Hull、今朝の波でおろしてみました。

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昨年デビューしたパベル・ハンプレスハルは、トラディショナルなハルのデザイン要素を踏襲しながらリッチの飛び抜けたアイデアとデザイン・マジックをほどこしたディスプレイスメント・ハル。

昨年、リッチが私に削ってくれたオリジナルの7'8"は、ライディング・フィールに重厚感を与えるためにガシッとした巻きで仕立てました。
その結果はもう、特にシェイプのある波では本物のハルならではのフリーフロウに、より勢いと伸びを加えた素晴らしいもの。
ロングボードじゃなければ楽しめないような小さな波でも、ストレスの無い速さを楽しめます。

そして今朝おろしたこちらのハンプレスハル、長さはまったく同じ。2本目のこれに私のリクエストは、そもそもダイナミックなこの板の動的デザイン要素を思い切り強調してね、と。
そこでリッチさん、幅とノーズの大きさをほんのわずかに広げて(よーく見ないとわからないくらいです)、最大厚もほんのちょっと足して、フォイルのダイナミクスを一杯に攻めて、といったチューニングをほどこしたシェイプをしました。

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ですので、とてもディープなハルが出現し、テールのフレックスとツイストもグリグリ。
私がコーデした巻きはテールのトーションを限りなくフリーに、そしてデッキとボトムのフレックスもイコールに近く。
ちなみに私たち山王ファクトリーでは、PAVELの特にハルには特にリクエストが無ければロングボックスをあまり使いません。
現場では"ショート"と呼ぶ(実はメーカー的にはミディアムなんですが、ホントのショートはほぼ使わないのでね)ボックスを、これらの板には主に使います。

そうするともちろんフィンの可動範囲は狭くなるのですが、そもそもハル、ボックスセンターが的確であればそれに乗るサーファーがロングボックスの可動範囲一杯にフィンを動かしまくる事は、まずそうは無いぞ、と。
ならばフレックスを邪魔する要素を最小限に抑えましょう、と。ショートボックスであれば、どちらにしてもフィンそのものが持っているベースに付け加わるリジッドなパートは最も少ないわけです。

そんなわけで私の2本目のハンプレスハル、いくらか波のあった地元の今朝のビーチブレイク。選んで乗ったまあまあの波が何本か、ウルトラしなやかで超速くてターンの伸びもX2気分、エッジボードもかくやのフロウ。
最高です!

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こういった、グラッシング、巻きでチューニングできるいくつものキャラクターとテクニック。
これらは単にこっちがいいとか、あっちがいいとか言うことではなくて、みなさんのカスタムオーダーのリクエストやフィッティングに役立てられるわけです。

ご存知の通り、サーフボード、シェイプのまんまじゃ水にも入れられない。
グラスして初めてサーフボードであり、ホントに良いグラッシングは残りのシェイプと同じです。
グラスでサーフボードが、ガラリ変わるのが当たり前。