今週は木曜日まで夏休みをいただいているエムズですが、実は昨日までの3日間はとんでもないことが起きていました。
彼、ローラン・イェーターです。
サーフィン界、そしてサンタ・バーバラの最重鎮、レイノルズ・イェーターの一人息子。
イェーター家のサーフボード造りを背負うただ1人のシェイパー。
リッチ・パベルからの連絡で、家族の所用でたまたま日本を訪れている彼にぜひ会って欲しいから、というので例によって家にお招き。
リッチは、古くからの大事な友人、ソウルフレンドと言いました。
リッチいわく、本物のシェイパーが彼だから!、という人物には板を削る機会で一番の歓迎をと、キープしてあるスペシャル・ブランクスを何本か用意して彼もすごく喜んでくれたので、さっそくの板造り開始が日曜日。
板造りに充てるのは、わずか3日。
ほんとはもっとゆっくり滞在してもらって流れにまかせた展開がいいのだけれど、今回は逆に降って湧いた機会にそこにある時間とものだけで現れる板は何でしょう、と。
用意したスペシャルブランクスから、その3日の間にシェイプするために選んだブランクスは3本。
その3本が化けてデザイン・シェイプが昨日でき上がりました。
7'2"、8'4"、9'1"、というのがその中身。
詳しいシェイプについては次にお知らせします。
作業のいくらかを見ているだけでも、プランシェイプの途中まで進んだ板を見ても、とんでもないオーラ。
ローランその人はというと、とてもとてもソフトで控えめで、優しい人物。
彼が見せてくれた波乗りの写真のいくつかは、さすが、というよりリンコンの波に選らばれたサーファーに与えるスタイルそのもの。
父、レイノルズ・イェーターさんは、最近は簡単に用いられるレジェンドという言葉ではもはやかすりもしないほどのサーフィン界の神の一人。
多く残されている写真でも分かるように本物のサーファーでありビッグウェーバーであり、そしてとてもシンプルで静かな人。
ローランからは彼が子供の頃からのいろいろな話から、レニー父さんの人となりまたくさんの話を聞けて、私にも素晴らしい3日間でしたが、そこで聞けた話は紹介させていたきたい内容ばかりです。
数日後には彼の家族も交えてまた合う約束をして、昨日は送り届けた辻堂駅から電車で家族と滞在している東京のホテルに、来たときと同じように電車で帰っていきました。
彼は考えあって、特にここ2年ほどはシェイプの仕事をとても抑えています。
ご存知の方もおいでかもしれませんが、サンタバーバラはその土地の名前だけでサーフィンの世界の一つを表します。
そのサンタバーバラの地元でローランの板を待つサーファーは、それはもうベストタレントだらけ。地元でも手にする事が困難なローランの板を、私たちは一緒に板を造ることもとてもラッキーです。
削り上がった板たちはあらためて紹介しますが、イェーター家のサーフデザインとサンタバーバラの波と歴史を一目で見せてくれるような3本です。