エムズと私たちのファクトリーのサーフボード製作については、例えばリッチ・パベルの来日製作記やマニー・カロの製作記などで、たくさん紹介させてもらっています。
当サイト内にもある、"修理について"のページ内ではリペアーのポリシーや技術的なアピールも紹介しています。
エムズにリペアーの板をお持ち込みになるみなさんは、初めての方ですと誰かご友人などに評判を聞いてお出でになる方も多いですし、リピートでご利用いただく方は仕事の内容を評価してくださる方が多いのでありがたいです。
直接お持ち込みになる方以外にも、大切な板をわざわざ送料をかけてでも最上のリペアーを求めてご依頼いただくケースは少なくありません。
で、まだエムズのボードリペアーをご利用いただいたことの無いみなさんや、いろいろなケースを見ていただくために、実際にお預かりしてリペアーしたケースを詳しくご紹介することにしました。
もちろんすべてのケースを見ていただくわけにはいきませんが、ちょいちょいいろいろなケースをご覧いただきますので、どうぞチェックしてみてください。
さて、まず今日の1本目。
板は、SさんのPAVEL Roundopin Quadです。もちろんこの板はPAVEL来日シェイプで製作した1本ですので、現場の作業をする高橋"健ちゃん"自身の巻いた板です。
この板は左側のバックフィン横のレールにやや深いクラック、バックフィンの根元ボトム側のグラス割れ、フィンの根元近くのクラック、などがリペアー対象の部位ですね。
持ち主さんの話ですと、ワイプアウトした時に腕(だったかな?、確か)をレールとフィンに横からヒットしてしまったことで起きたダメージです。
レールのクラックは大きさはさほどではないものの、割りと深いクラックですね。
そしてフィン根元付近のボトム側のグラス割れ。
これはフィンを横にヒットした時にフィンをグラスオンしているカバーグラスの一部が引っ張られる状況で割れたものです。
そしてフィンそのものに見える横に走るクラックは、カバーグラスの下のロービンググラス(糸状のグラスですので縦繊維がありません)に入ってしまったクラックですね。
まず、レールのクラックは深めでラミネートグラスに達していることから、クラック深度まで丁寧なサンディングの後、ラミネート色に合わせたオパークのカラーレジンで埋めます。
その後そのキズ全体を十分な範囲でカバーするグラスをラミネートします。
その後ホットコート〜サンディング〜フィニッシュレジン・コート〜空研ぎ〜水研ぎという流れで出来上がりますが、ご覧の通り、それらの全行程の最終段階が元のサーフェイスとツラいち、という見事な仕事です。
これ、アフターですね!
ボトム側のカバーグラスも、フィン側のクラックも同様に作業され周辺も合わせて、シェイプを再現したサーフェイスに仕上がっています。
Sさん、お待ちどうさまでした。