ファンタスティック・アシッドは1年に一度、製作者トリスタン・モースが来日して店主の家で生活しながら我らが山王ファクトリーで板作りをします。
フィッシュ・ハルのフィンは通常のボラン・フレックスフィンとは違う種類のファイバーグラス積層パネルから作り出すので、山王ファクトリーではフィッシュ・ハル1本1本について1枚づつ積層パネルを製作します。
もちろんフィンのテンプレートもフォイルパターンも作者トリスタンによるものです。
またこのフィンはフレックスパターンも独特にして独自のもの、そこのところの話はストックページのボード解説文にありますから読んでみてくださいね。
で、遠方のお客さんからこれらのフィンのカラーについてお問合せがあったので、ちょいと紹介しましょう。
アシッドのトリスタンも私たちも板の色からフィンまで、基本的にはニュアンスのある粋な色で作り上げることが好きです。
ここで紹介するストックの3本、どれもそんな感じです。
7'7"には私たちがよくケルプと呼ぶカラー、こいつをティントで。
ケルプ、っていうとまあ海藻ですが、イメージとしてはカリフォルニアで波乗りしてるとウジャウジャあるあの茎のぶっといやつの色。
写真で見るよりももっと濃い目で渋い色です。
7'4"のフィンを作るにあたってイメージしたのは和菓子にあるような控えめで抑えた色。煉栗みたいな。
で、これはソリッドなピグメント(不透明顔料ね)。
これは写真でもおそらく現物と近い色で見てもらえていると思います。
7'2"には薄くて少しだけ黒を落としたような渋いバイオレットですね。これもソリッドにピグメントで。
こちらも現物に近い色で見てもらえていると思います。
色が波乗りするわけじゃないとは言え、サーファーにとっては気合の1本だからかっこいい色の板は上がりますからね、凝ったことするようにしてます。
ちなみにこの3本のストック、どれもデッキにトリスタンによるアートワークが施されています。
時々質問があるのですが、デッキの不思議なおまじないのような文字。というか、これが文字とは思わなかったという方もいます。
トリスタンはものすごい読書家で、その本のカテゴリーもそれはもう多岐に渡ります。ホントにあらゆる種類の本。
そんなですから中には詩集や古典的な哲学者の短文章などもあって、この文字アートなどにもトリスタンの好きなそのような短文が書かれることが多い。
文字の形式というかフォントとでも言うか、これは私たちがトリスタン文字と呼んでいる彼独特のオリジナルな字体。
よく見ると、板に書かれているサインにも同じ雰囲気の字体で書かれていますよ。