2015.10.10 UP DATE
PAVEL GP Fish

リッチ・パベルのたくさんのFishデザインの中から、今日はこれを取り上げてみます。

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GP Fish、このモデルの呼び名はフィンメイカーとして知られるラリー・ゲファードさんから命名されています。

ゲファードさんは、一般的なコマーシャルなスタンスとは少し違うスタイルでサーフボード製作に関わっています。
控えめな製作数でボードデザインにも関わりながら、高度にコントロールしたハンドフォイルされるマリンプライ・ウッドフィン。
現在はポピュラーなフィンメーカーからクオリティの高いGPシグネチャーモデルがリリースされていますが、やはりゲファードさんが手フォイルするフィンはステージが違うものですね。

さてゲファードさんはフィッシュのオリジン・スティーブ・リズやサンディエゴのリアルなフィッシュ・シェイパー達とのリレーションが知られますが、単にフィンメイカーである以前にフィッシュライダーとしてフィッシュデザインに深い関わりがあります。

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そして現在のフィッシュ・ムーブメントの主であるリッチ・パベルとの、フィンデザインとボードデザインのリレーションはとてもディープな領域に到達しています。


リッチ・パベルはフィッシュの師・スティーブ・リズから学んだデザイン要素を大きく発展させて膨大なフィッシュ・バリエーションはもちろん、本当のフィッシュが持つ機能的フィーチャーを他のボードデザインにも取り入れたり融合させたりというアプローチに驚異的な成功を重ねています。

そんなPAVELフィッシュ・バリエーションの中でもゲファードさんのスタイルとアイデアを反映させて完成させたモデルが、GP Fishです。

もともとのプラットフォームはご覧の通り徹底的にクリーンなラインの集合で、当然ながらロッカーとフォイルはそのアウトラインと同様に完全シンクロされています。
優れたサーフボードデザインであればその可能性の広さを基に、強調するキャラクターや機能性をいろいろなバリエーションに展開するものですが、パベルフィッシュの中でもGP Fishはビジュアル通りのクリーンでスピーディーなサーフィンに強烈にフォーカスしたデザインがその最大の特長です。

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動画サイト上に発信される波乗り動画のヘビーウォッチャーや感度の高いサーファーの中にはすでに気がついている人もいると思いますが、サンディエゴのフィッシュ・スクーラーの中でも目立つ存在に成長したライアン・バーチや、彼らとリレーションを深める若きオージー、ハリソン・ローチ達の最新アプローチを見ることができます。


彼らはリッチ・パベルのボードとアイデアやデザインを求めて学びながらトライと追求をしていますが、その彼らの最新フッテージ中に多く見られるボードは、まさにこのクリーンでスピーディーな2フィン・フィッシュです。

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1960年代の終わりがその発生源のフィッシュは2000年代の始まりと前後して復興ムーブメントが大きく盛り上がり、その一部は流行にも展開して現在はたくさんのサーファーがフィッシュやそのようなものを体験するまでになっています。

もうずいぶん長い間、フィッシュのムーブメントを提案し続けているエムズがいつもお伝えし続けているのですが、フィッシュの復興は単にレトロスペクティブではなく、本当のフィッシュはもっとも機能的なショートボード・デザインだからなんですね。
ちなみにここで云うショートボード・デザインとは、短いものからミッドレンジくらいまでをくくっていますよ。

一見、流行的動向が少し落ち着いてきたように見えるフィッシュ・ムーブメント、実はさらに進化し続けています。
すでに本物のフィッシュ体験を楽しんでいるサーファーはもちろん、まだその本物体験をしていないサーファーには特に、ムーブメントのパワーを超えて進化するフィッシュを体験していただきたい。

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それはもちろんPAVEL Fishの中でも、今日紹介しているGP Fishだけではありません。たくさんのフィッシュがさらにみんなのフィッシュ体験を待っていますよ。

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リッチ・パベルいわく、本当のフィッシュ最大の特長である加速フォイルを基本に、サーフィンの動的メカニズムにもっとも機能性の高いアウトラインとシンクロするレールフォイルとフィン構成、そしてテールデザイン。


そのフィーチャーをクリーンでスピーディーなアプローチに特化したデザインがGP Fishですが、その完成度の高さからすでにさらにいくつかのバリエーション展開があります。
GP Fishのプラットフォームとコンケーブをベースに、オリジナルGPとは違うボトムデザインを組み合わてフォイルとレールを最適化するというスタイルです。

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例えば、リッチ・パベルからフィッシュを学ぶチャンスに恵まれたダニエル・トムソンのアイデアとスタイルを反映したコンケーブ・セッティングや、クリンカー・チャンネルを組み合わせたものにまで発展しています。

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ちょっと個人的な、私がずいぶん前に初めてGP Fishを見た時の強烈な印象を思い出しました。

それはですね、とても本格的サーフィンのオーラを発して男っぽい、つまりウルトラ・ハードコアなフィーリングに圧倒されたものです。
もちろんこの印象はまったくそのまま本当です。

ところで一方、それからしばらくして実際にGP Fishでサーフすると、ものすごく優しい板だったんです。
スーパー速くて切れ味鋭くて、パドルから始まる波乗りのすべてが高性能で、動きから何からすべてがおそろしくしなやかなのです。
これは究極の優しさです。

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もちろんサーファーがサーファーならその優しさは波とサーファーに応じて信頼性と確実性に化けて、とんでもないハードコア・サーフィンのパートナーになります。
そんな、銀河系フィッシュが、GP Fish。

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