

ここにグラスワーク途中のチップが2例 1本は8'4" Post Chip、もう1本は11'0" Malibu Chip
ファンタスティック・アシッドのマリブチップはすでに昨年の来日製作からお届けしていますから、何度かそのコンセプトはお伝えしています。
まずはひとことで言えば、ビフォーマニューバー、かしらね。
私たち日本のサーフシーン的に用いられている言葉を当てて言えば、つまりワザ以前、そういう時代のサーフデザインという感じでしょうか。
マリブチップが全盛時代、おおよそ1940年代後半から50年代前半あたり。
その後に現れたのがデイル・ベルジーによるピッグ。ピッグ出現によってサーフィンは飛躍的にターンのバラエティと可能性が高まった。
そのことによってサーフィンの楽しみの中にマニューバー、つまりワザの意識や指向性が表面化するわけ。
そのモダンサーフィンにおける最大の変化ポイントから今日まで、多くのサーフデザインが生まれ変遷し整い深化しています。
ちなみにディスプレイスメント・ハルもその子孫の一つの系。
であるからしてですね、そのどこに自分の波乗りのフォーカスを求めるか、これはもうサーファーそれぞれのこと。
ところが一方で自分の波乗りと質の良いサーフデザイン・シェイプとの調和が整い始めると、そこからがずっと楽しくなってきたという体験をしているサーファーはお分かりの通り。
ところでマリブチップ、ビフォーマニューバー、と言いましたが、それは面白いの?の問いがある。面白い!、んである。そしてそれ以上に清々しく気持ち良い。もちろんサーフィンにとって欠かせないターンはたいへん上質。
この現代のマリブチップの出自は、言わば現代サーフィンの古典とでもいうべきものでありつつ、上で話したように今日までの時の流れの中で整えられ深化してきた本当に良質な作り手の知と手になることでフォーカスは古典的でもデザイン・シェイプはむしろ時代の先にいる。
あっけないかもしれないけれど、そうしてできた現代マリブチップは真にシンプルなサーフィンにこれに乗るサーファーの気分を導くのです。
で、その充実感と満足がデカい。

私、よく話題にすることだけど、サーフデザインをクリエイトするシェイパーはそんなに多くない。
そのクリエイトするシェイパーが生み出す板はサーファーの内面と心に糧をもたらすんであるよ。
市井のサーファーが、もちろん私も、その体験に出会うあるいは重ねるチャンスがものすごく限られる状況が進みつつあって、おそらくそれは近い将来恐ろしいことになるかもな、近頃。
ほれ、こうやっていつも話は散らかっていくんだけど。
元に戻すとね、8'4" Post Chipの方は古典的なサイズ圏を出たスペシャル。
ここからサンディングへと進み、その後レジンパネルを施す。
もう1本の11フッターの方は、これは古典のサイズ圏内にありつつ、オーダー主の嗜好をかなり大袈裟にデザインに盛り込んだ弩級スペシャル。
こっちはサンディングが済んだところ。
マリブチップ、少しづつ。
だけどさ、こういう板に気づくサーファーがいるのはすごいことです。
屋根の上の板はチップではもちろんなくて、11フッターのオーダー主さんからリペアで預かった同じく11フッターのV-Bottomね。
これも怪物。
















