


ファンタスティック・アシッドの目も眩むようなデザイン群の中、このモデルはまさに異形ハル ディスメトリック・ハルです。
この1本は今年の来日製作でカスタムオーダーいただいて、昨日出来上がったばかりのそれ。
作者トリスタン・モースは真に創造的な精神と細胞の持ち主で、誰か他の人のデザインをあちらこちらから寄せ集めてきて、はいこれがウチのバリエーションです、てなこととはまったく別の世界。
こういうこと言うのは少しだけ刺激があるかもしれないけど、探したってホントにごく数えるほどしかいないこのような作り手がいてくれなければサーフィンは枯れてしまう。
それほどサーフィン・サーフボードのシーンはメジャーからマイナーまで、ほとんどと言えるほどのプロダクト供給者たちが自らの創造物以外から、それは見れば分かりやすいものから見えにくい単に形として現れてはいないものまで、実にさまざまな水準の作業をもってして再構築・再解釈(と言えるなら?)して陳列棚を埋めるカオス展開。
もちろん誰でも他の何かから刺激を受けて、その影響と発展を自分のデザインに取り入れることはするしそれは立体的で有機的なハーモニーであるね。
要は、その精神。
とまあ、この板の話からはかなり遠くに来たようだが、実はそうじゃないのよ。
この板の面白いところは(いくつもあるけど)、非対称デザインのアイデアの(そう言えば)ルーティンのどこにも無いデザインの集合。
そこにトリスタンの、"自分でやってる"、創造性の健康さが表れてる。
つまり、"普通はどうなってるんだっけな?"式スタートではなくて、イメージの自由遊泳から始まる(たぶんね)デザイン起こり。
非対称のフロントサイドにはポジティブな振る舞いを呼び相性の良いデザインを、バックサイドには回転性のサポートよりもハルならではのペネトレーションとリフトを自然で少ない操作で得られるよう、そういう組み合わせなのである。
それを整える各部のデザインと配置は見事で、もちろんパドリングに違和感を作らないための特にボード前半のフローテーション配置とフォイルの強調は素晴らしい。
すごいな〜、これ。
ガッコやワークショップやメソッド(SNSにも)には無いやつ。
これこそが自由、こういうのに触れると楽しくなるのはもちろんだけど、勇気すら思い出します。
