このお道具の話、何年か前にも一度紹介しています。HENRY ECKERT社のベンチプレーン・#62 です。西洋カンナですな。
サーフボード・シェイピングには木工工具を多く流用しますが、これもその一つ。フットの長さは30cm近くもあるでしょうか、ということはより長い直線的な面をフラットに削ることに適していることが想像できますね。
ところがどうでしょう、サーフボードには真っ直線はありません。チャンネルボトムのグループラインのエッジは平面的に見るとほぼ直線のものがありますが、それとてロッカーとの関わりは直線ではすみません。
なのになんでリッチはこのカンナを使うのでしょう。おそらくこのツールを使うシェイパーはほとんどいない。
電動プレーナーを使う働きと同じことがここにもあります。電動(つまりシェイプのシーンでよく見るプレーナーです)はラフカットなどが主な出番。
なんでこの#62 をこのようなファインカットで使うか?
動画はあるワンオフの板のボトム、両アンダーレール全長にわたるベベル、変種のチャインとも言えるパートをファインカットする様。もちろん平らなわけはなく、カーブのパネル。
230723_62.mov
ここは別にクイズってわけじゃ無いけれど、気になったらこの答えはショップにいらした時にでも私に訊いてください。
これも以前にお話ししたことだけれど、リッチは本当にたくさんのツールを、それもすごくハイクオリティのものばかり、を揃えていてシェイパーさんですら???な人が多いんです。
でも私は、なかなか使われない道具が例えばたった一度だけ使われたりする場面などをちょいちょい見て、そしてその使いようを知ったりしてぶったまげるもんです。
そんな話を面白がっちゃう方はご遠慮なく。