カスタムオーダー参考モデル紹介、12・13モデル目、フレックススプーン・ニーボード。
2023来日制作カスタムオーダーのご参考にどうぞ。
*他のモデル過去ポストはこちら
11月14日・PROGRESSIVE MODERN HULL / プログレッシブ・モダン・ハル
11月15日・ANTISTATIC HULL / アンティスタティック・ハル
11月19日・FISH HULL / フィッシュ・ハル
11月26日・ROUNDED HULL / ラウンデッド・ハル
11月29日・V-BOTTOM / Vボトム
12月2日・SPEED HULL / スピード・ハル
12月4日・STUBY / スタビー
12月5日・PARALLELER HULL / パラレラー・ハル
12月5日・PARLEMENTIA HULL GLIDER / パーレメンティア・ハル・グライダー
12月14日・FLEX TAIL / フレックステール
12月16日・FLEX SPOON / フレックス・スプーン
さて、まずは12モデル目に、EXH / EXTREME HULL / エクストリーム・ハル。
私が通称"危険物"と呼んでいるモデルで、そのコンセプトは代表的骨格プラットフォームをベースにディスプレイスメント・ハルの動的性格を極限まで実行したモデル、ということになります。
つまりノーズ・テール・レールは徹底的にフォイルド、薄い!
アシッドの基本的なモデルたちよりも少し控えめな浮力は、単に浮力の設定から決められるのでなく、あくまでボード全体のフレックスを求めるため。
グラスプロセスもフレックス最優先のために、デッキ・ボトムともグラスは1層でボトムのみホットコートサンド。デッキはホットコートすら施さないという徹底ぶり。
それらのデザインの結果、EXHは恐ろしくしなやかでフレックスがコンセプト通り限界に達しています。特にテールエリアのフレックス性とツイスト性は仕上げた板を触っても如実に分かるほど。
この板に通常の強度を求めてはいけません。
トリスタンのこの板に対する名解説、この板を所有するサーファーにとってのすごくいい波で20セッション、それだけこの板で波乗りを楽しめればいいじゃないか!、と思ってくれるサーファーに勧めたい、と。
コンセプトからサーフデザインから、強度も存在性そのものまで、全部ひっくるめて危険物。
ハル贅沢の極みの一つです。
次は13モデル目、DISMETRIC HULL / ディイスメトリック・ハル。
トリスタンの創造性が非対称ハル・デザインの解答、です。
写真を紹介する個体はトリスタンのパーソナルボードですから、レギュラーフット・デザイン。
分かりやすいのはボード下半身左右の非対称デザイン。ワイドポイント周辺から別なカーブが与えられてテールに向かっては明確にバックサイド側が絞られて、つまりバックサイドにはやや狭めなラウンドピン、フロントサイド側はラウンドテール。
トリスタンがイメージした非対称デザインの機能性はディスプレイスメント・ハルのフォワードトリムのフィーリングと、普遍性を優先するターン性。
それによるボトムデザインは前半のベリーと、ベリーとの親和性で選択した後半のスロット系コンケーブ。
フィンセットアップもユニークな考え方で、フロントサイドにシングルフィン+サイドバイト。バックサイドではシングルフィンというもの。
これ、ユニークなだけでなくとても創造的で、普遍的なターン性とはいえ単に切れるターンに寄せるのではない。ディスプレイスメント・ハルの本質的フィーリングを裏返して隠したターン感触にするのではなく、ライディングとターンの繰り返しを通してハルであり続けるというイメージです。
そう聞くと納得なのは、フロントサイドのサイドバイトと、よりエリアとカーブのあるポジティブな回転性を持つテールデザインはフロントサイドゆえのもともとのマニューバー・コントロールの融通性を素直に高める。
バックサイドではシンプルに操作性を快適でシュアなものにする、という組み合わせ方。
クイーバーにいろいろな性格のボードたちを所有していても、いつ乗っても違和感がなく自然な乗り味。一方で機能性の説得力の高さを乗り越えたハル・フィーリングがセッションを色づける、そんな板です。