



モデル紹介第5弾、Vボトム。
2023来日制作カスタムオーダーのご参考にどうぞ。
*他のモデル過去ポストはこちら
11月14日・PROGRESSIVE MODERN HULL / プログレッシブ・モダン・ハル
11月15日・ANTISTATIC HULL / アンティスタティック・ハル
11月19日・FISH HULL / フィッシュ・ハル
11月26日・ROUNDED HULL / ラウンデッド・ハル
モデル名はシンプルに、Vボトム。ですが、あえてディスプレイスメント・Vボトムと紹介します。
オリジナル・Vボトムはトランジション・エラである60年台終盤にマクタビッシュが生み出して、超ポジティブなターン性とナット・ヤングらが見せつけたこの板のパフォーマンスによってこのデザインを世界中に波及させました。
アシッドのトリスタンはこのVボトムを再生するだけでなく、ハル専業ブランドのファンタスティック・アシッドにラインナップするにあたって、高純度なディスプレイスメント・ハルと融合したサーフデザインに到達しました。
ですからアシッドのVボトムは、ディスプレイスメント・Vボトム。
まず、印象的なまるで弾丸のようなアウトラインに目を引かれます。細身のノーズ、広いヒップ、を単調に見るとピッグとの関連性を想像してしまいますが、全く違う理由がこのアウトラインにはあります。

ボトムの後半約1/3からテールに向かう強い角度のVパネルはそれそのものがモデル名の元になっていますが、これが急角度なターンを生みます。
ターンの写真で見られるように、特にボトムに十分なスペースのある波などでは、ほとんど波に直角近い角度まで板が寝ているのが分かります。
このようなターンはハルの特徴的なシーンでもありますが、これは場面によってはハルのレールがこのようにフィンのような役割をすることによります。
Vボトムの急角度ターンはテール主導がポイントです。その時、あくまでディスプレイスメント・ハルですから前足レールへのプレスは(強弱がありますが)残しておく操作とセットになります。
矛盾するようですが、これがVボトムの(ハル全般でもありますが)ターンの特徴でもあります。
こう説明するとVボトムがターンではテールが抜けてしまいそうな感覚を想像しがちですが、まったくそうではありません。
むしろおそるおそる操作するのではなく、積極的に思い切りよくターンすればするほどこの板を楽しめます。
この大胆な動きとバランスをサポートするのがトリスタンがこの板専用にデザインした、ハイトが高くレイクの大きい、しかもチップに向かって細身でディープなフレックスのボランフィンです。
このフィンがその波に対する深さと、それをさらに生かすチップのフレックスによって水を放さずつかみ続けます。
同時に波に食い込んだ側のテールのパネルはフィンとセットになってプレーンし続けます。
そしてもちろんターンをリリースすればその後にやってくるリフトやダウンザラインは、ディスプレイスメント・ハル独特の不思議な力で吸い込まれるような無重力感をともなうスピードとペネトレーションです。
このVパネルボトムの性格は波のサイズとパワーがとても大きくなると限界を超えたり、コントロールが難しくなります。もちろんこのサイズとパワーは普段の私たちのサーフィンではほとんど頻度のないことですが、日本のアベレージな感覚的には例えばダブルに迫るようなサイズあたりからといったところでしょう。
実際にはトリスタンのライディング写真などでは楽にそのサイズをサーフしていますが、この辺りのことは技量だけでなくそれぞれのサーファーの環境やメモリーなどで大きく変わるところです。
さてここでVボトムのバリエーションを紹介します。
紹介している写真の中にある、ボトムのセンターセクションにフラットパネルを与えたシェイプです。
このバリエーションはレギュラーのVボトムに対してややテール幅を絞るアウトラインとセットです。
このシェイプは上で書いたような、とても大きな波、あるいは特大サイズでの安定性を確保するために編み出してとても良い結果を証明済です。

とても役立つトリスタンの説明では私たち日本のサーファーがレギュラー・Vボトムとフラットセンター・Vボトムとを選び分ける基準は、波のサイズだけではなく(むしろ、それよりも普段の波で)このモデルのユニークな個性を強烈に強調して楽しむか、その個性の中に安定性をより強めておくか、といったことです。
私自身もこのモデルが大好きですが、個人的には思い切り楽しむ派です。
サイズレンジはとても広く、2023来日製作では7'前後からすでに11'のカスタムオーダーもお引き受けしています。
また今回はこのモデルに限らず長いサイズやグラスオン・フィンでのカスタムオーダーもお受けしますので、サイズやボトムデザイン選択など、お気軽にご相談ください。
















