トリスタンからリポート届きました!
2022.08.26

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ここんとこ連発の話題のさらに続き。 Fantastic Acid, 7'10" <tri-plan> V-BOTTOM と呼んでます、トリスタン。
ま、その命名については訊いときますね。

何日か続けてテストライドしたそうですが、いずれも波は大きいです。このアイデアはサイズのある波でのV-BOTTOM特有の弱点を解消することがフォーカスなので、まったくドンピシャなコンディションということですね。

サイズのある波での弱点と書きましたが、これ、アベレージサーフでは全く弱点ではないのです。
まずここ説明しておかなければいけないのは、V-BOTTOMはとっても敏感なレールtoレールがホントに僅かな操作力でターンを起動するところ。
もちろんこのポイントをわかりやすい例で言えば、初心者にはとても不安定ということになります。

少しでも"波乗りできる"サーファーであれば、単にこれだけでは不安定に感じることはありません。当然サーフボードをポジティブに操作をするタイプのサーファーであれば、V-BOTTOMの持つこの性格はそのままこの板最大の楽しさです。

その上でのサイズのある波でのさらなる安定性を求めるアイデアが、今回"TRI-PLAN"と称してトリスタンが開発しているバリエーションです。


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さて、トリスタンから届いたリポートを要約で紹介しましょう。
初日、最初のうちはちょっと慣れるのに手間取ったようですが、その日のセッションの後半にはとてもよく慣れて色々な発見をチェックしたそうです。

まずは何よりこのサイズのある波でのストレートなドロップや、レールが十分に作用する前の安定性は格段に向上しました。
V-BOTTOMの深いボトムターンでのトピック・美点であるフルレールや、またディープなレール・エンゲージでも要する少しの操作と操作力もスポイルされることはありません。

カットバックは少し違って、オリジナルの直結レール入れ替え感ではなく、つま先側のレール〜センターのフラットパネルへの切り替え意識〜踵側のレールへ、という3段階を意識した操作になります。
ただこれ、言うと複雑ですがあくまでオリジナルと比較しての話ですので難しいわけじゃなくて、むしろベーシックなもの。
ただしトリスタンは次のシェイプにはテールに少しキックを加えるつもりとのことで(VEEの深度角・量ではなく、あくまでストリンガーラインのちょっとしたキックですね)、おそらくそれでその3段階感をずっとスムースにできるだろう、と。

ここでちょいと今までの事を整理してみると、そもそもトリスタンが言う現地でのサイズのある波というのは私たち日本の一般的な環境に当てはめればそうそうあるものでは無いので、このバリエーション・デザインは違う選択基準で捉えていいでしょう。

つまり、V-BOTTOMはその敏感さがトピックとは言え、敏感さを少し引っ込めてその分安定感をプラスしたいというバランスのV-BOTTOMが欲しいというサーファーにお勧めというのがフォーカスですね。

今日ここで紹介する写真には注目ポイントがいくつもありますね。

斜めにボトムに降りていく写真ではレールのエンゲージだけでなく、フィンエリアのフラットパートがフィンが進行ラインに安定した働きをしているのがよく分かります。
レールグラブのボトムターンはレールそのものがほぼフィンの働き。
この2枚、Zack, @_bigzed


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トリスタンがボトムを見せている写真では、センターのフラットパートが実際にはボードセンター以降に施されているのが分かります。
レールをとても長く使ったボトムターンではフィンの根元が露出していて、V-BOTTOMの長いフィンのチップ側がレールをホールドするのが見えます。
5抜きのチーター(抜きだからすでにチーターでも無いけどね)では加重エリアのボトムはディープなベリーですから、フラットパートが直進性を助けているのがわかります、波デカいし。
この3枚は、Thomas Lodin, @thomaslodin


V-BOTTOM、私たちはDisplacement V-BOTTOMと呼びますが、あのカタチしておいてものすごく楽しい板です。
すでに前回入荷分もV-BOTTOMは残り1本のみになっていますが、少しでも気になる方はぜひ現物を見ていただきたいです。

ご質問・ご相談もぜひ!