Twin Chin, 新発見
2021.12.04

先日出来上がって入荷したエイシン・ツインチンはおかげさまで完売です。
次のグループも引き続き製作に取り掛かりますので、ご質問やご予約など、ぜひどうぞ!


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今日のこの板、店主所有のツインチン、先日までしばらくショップで皆さんにご覧いただくために展示してありましたが、ストックの入荷したので我が家の波乗りスタンバイラックに入れておきました。

地元は一昨日・昨日と波があったので昨日はこいつをお供に連れ出しました。
先日のポストでもお話ししたように、私しばらく痛めた膝が治ったばかりで、自分じゃいっちょ前のリハビリ気分でおっかなびっくり波乗りしてます。
また痛くなったら嫌だもんね。

その昨日、ちょいと久しぶりに乗ったこの板、いくつかあからまさな新発見があったので報告しましょう。

この板が気になってご覧になった方や買ってくださるサーファーに説明する中にもよく出てくるのですが、この板のボトムのセンターパネルにはノーズから始まるスライトVEE(軽いVEE、とでもいうことです)で導入されて、センターロッカーへの侵入と同時にVEEコンケーブへと変化します。

このノーズからエントリーの軽いVEEが、テイクオフにまあ良く効きましてな(英進風に言うと)。
特徴的な、比較的ローロッカーのボード前半から、ストレートな(ホントに定規みたいに真っ直ぐじゃないですよ)センターから後ろ足手前までのプロフィール。
ストレートはテイクオフ時の押し上げをすぐに滑りに変えようとして、そうすると前にあるVEEが作るわずかな三角が水に押し入るコンビで働きます。

つまりとても積極的なドロップが起こり、しかも走り出しのスピードを決める速いカーブのプレーニングロッカーは出だしから速い、というテイクオフになります。
ここまではこの板に最初に乗った時、即座にわかったポイント。

で、少し久しぶりにこの板で波乗りすると、空走時の無抵抗感がエッジボードと似ていることに気がついた。
ここで言う空走時というのは私の造語みたいなもんですが、つまり例えば波の前方に伸ばすターンの動的な物理ドライブが収束あるいは終了するのと入れ替わる滑走状態。

エッジボードに乗って、おっ速い!、と速さの特徴を感じるのは実はこの部分をチェックすると分かりやすい。
もちろんツインチンはエッジボード・デザインではないのだけれど、アンダーレールのチャインによってある種の分離がされた波側のプレーニングパートは連続性のあるパネルよりも実際の応圧部が小さく済むことと、そのパネルがそれぞれコンケーブによる低圧性による速さを生む。

これ、形状の違いはあれどエッジボードのその部分と物理性で共通します。
なるほどと思ったのですが、ツインチンはなんと言ってもチャインによる動的性格と、さらにそれよりもむしろ感触にこそハイライトがあるという機能性とサーフィン的情緒性(ここは要る人ばかりとは限らない、つまり要らない人もいるのでね)の両有がサーフデザインとしてやられる。

そしてやっぱり上がり降りの速さだけでなく、その操作の軽さと大きさにはチャインの威力が明確にあります。

正しいチャインはフィンセットアップを選びませんが、このツインチンは、ここ1、2年関心が高まっているやや細身に絞るテールエリアとフォワードドライブ指向が組み合わされたアウトラインのツインフィンというデザインへの回答にとどまらず、目の醒めるようなフレッシュな波乗りです。