PAVEL 7'7" The Single
2020.11.14
ストックで紹介している1本です。
便宜的にセミガン種として紹介していますが、この板、そうくくるのはもったいないほど豊富な楽しさを秘めたワンオフ・デザイン。
とあるお客さんの質問がきっかけになったので、ちょっと突っ込んだ側面を紹介します。
このカタチ、いかにもセミガンを思わせる長さと幅のバランスの中に、つまり狭過ぎず広過ぎずの様子の中に実はかなり活発な動的性格を表すカーブの成り立ちを持っているのを感じていただけると思います。
そしてボトムロッカーは走り・速さを最優先したレイアウトで、一般的なセミガン系に用いられるロッカーと比較するとぱっと見には控えたロッカー。
ボトムのチャンネルにも目が行きますが、いかにも長めなこのチャンネルはボトムのフェイズありきの、ただのディープチャンネルではありません。
ボード中央部を過ぎてスタートするチャンネルは、その前半部はボトムのパネルフェイズに乗って、後半からテールに向けてはクリンカー・フェイズに流れを変えます。
ただでさえ緻密なデザイン・シェイプを求められるチャンネルですが、PAVEL KLINKERではそれぞれのチャンネルがフェイズを変えるという離れ業はチャンネルの波乗りとイメージを根本から変えました。
この1本では、1本の板の中に2つのチャンネルデザインをまるでバリアブルに働かせるとても手の込んだチャンネルが仕込まれています。
長さと幅のバランスの中に、セミガンを吸収しつつミッドレングス・カービングクルーザー的なサーフデザインまでに達したスタディであり、リッチ・パベルの無言の投げかけ。