さて今日は、お問い合わせ、ご質問の多い話をひとつ。
フレックステールはファンタスティック・アシッドのオプショナルなデザインです。
誰でも目を惹きつけられるデザイン、一方で一体どんな働きをするのか教えて欲しいという質問はまだまだ多いです。
当然です、アシッドでもこのデザインはオプションですし、このデザインをボード全体に動的調和させて作り上げるには高度なノウハウと作業が必要です。
フレックステールはディスプレイスメント・ハルの動的性格を強調するデザインです。
純度の高いハルにとっては、テールエリアのフレックス・ツイスト性はハルのサーフィンを左右するとても大事なスパイスです。
それを強調するデバイスがフレックステール。
もちろんノーマルな(アシッドにとって)フォイルドテールのフレックス性と比較して、どちらがより良いという選択ではありません。
コントラストの違いです。
さて、製作者トリスタンはアシッドのフレックステールに2種類の違うフレックスレートのデザインを用意しています。
2本のボードが重ねられた、フレックスパネルとボード本体の境目のラインの違いがよくわかる写真を見てみてください。
上の板はツイスト性よりもボード縦方向のフレックス性がやや大きめなデザイン。さらにその縦方向のフレックス性もテールエンド寄りで控えめなタイプ。
下の板はツイスト性・縦方向のフレックス性ともにフルデザインのタイプです。
これらについてもどちらが良いと決めるものではありません。
例えば大きな波で(この場合の大きな波というのは、日本の私たちの環境で言うとかなり大きな波、とお考えくださいね)では、上のタイプが選ばれます。また、同じフレックステールでも比較的控えめな働きを求めるサーファー。
逆に私たちにとって一般的な、小さな波からミディアムサイズまでであれば、下のタイプはフレックステールのダイナミクスをフルに楽しめます。
同時に、フレックステールはどちらにしても可変テールロッカーを生みます。
ですから小さめの板ではマニューバー性と活発さを強調しますし、長めの板では長さに対して動きの良さを補う要素も持ち合わせます。
トリスタンのシークレットの一つ、フレックステールの強度についても説明しましょう。
まず、フレックステールを作るときにはそのフレックス性を前提にしたロッカーが与えられます。
で、ボトムの写真でも分かるように、ボトムのロッカーラインとサーフェイスはボード本体とフレックスパネルは完全に連続して一体化されています。
フレックスパネルのパートはボード完成時にはグラスファイバーの多層積層パネルとして、それ自体がテールパートでありフレックスパネルとしても両立されます。
もっとも適正な積層パネルとしての厚さと同時に、ボード全体に対してそれぞれのボードデザインと長さなどに合わせて部分的にだけではなく、ボード全体の中でバランスするフレックスパターンで作り出します。
その作業と同時に驚くべき強度が与えられます。
どんなマテリアルや作りであろうとボードを傷つけたくはないものですが、このフレックスパネル自体は割れたりすることが無いばかりか、パネルだけが脱落するような壊れ方は決してありません。
それほど頑丈なのです。
アシッドのフレックステール、興味津々、乗ってみたい、というみなさん。
その時点で準備OKです、ぜひ乗ってください!