シェイプ、ほぼ上がり。
これからクリーンナップ、サイン入れしてラミネートの部屋に入ります。
エムズ、長年ビッグボードへのご招待を続けていますが、やはり日本は狭いようで広い。
全国のお付き合いの中には好きな人がいます。
VELZYを源流に、スキップ・フライの輸入元時代からいろいろなビッグボードをお届けしてきましたが、そんな私が驚かされたのは、PAVELビッグボード。
ずいぶん以前にとあるビデオの中で、デレク・ハインドが乗るPAVELのビッグボード・ライドのフッテージ。このビデオ、ぜひ探してみてください。
それはクオリティ・ウエィブとは言えない小さくてシェイプも良くない波。
そういう波でのビッグボード、よく出来た板ならもちろん速いのは速いものなのですが、そのPAVELボードはそんな波をまるでラインに吸われるように不思議な速さで、大きな板の小さな波への重さやドラッグをまったく感じさせないバーチャルのような滑りです。
それはもう10年以上も前のことで、その後リッチに私は、俺にも12フッター削ってね、と最短フレーズのオーダーをして8年後、数年前のPAVEL 山王の制作時にリッチはその板のためのブランクスを用意してあった。
そしてでき上がった 12'2" は以前リポートしました(が、見ていただいていない方も多いでしょうからそのうちまた紹介しますね)。
その板で何度かサーフして私が理解したのは、最速にして、この大きさ重さの板にしてもっとも水を抵抗にしない滑走でした。
およそ、本物の良質なビッグボードをほとんど体験させてもらった中で、それはそれは特別でした。
ビッグボードについての大変な誤解のひとつ、大きくて長いから速いのが当たり前というやつ。削り手にとっても、そのすべての姿を一目で捕えて削ることができないのがある大きさ以上のビッグボード。
単に1次元にアウトライン、2次元にロッカー、すら一目で捕えられません。
それだけでもどれだけ大事か想像できますね。
そこに大きな長い板だからこそ備えていなければならない、3次元の完成度です。
ですから、良いデザイン・よく出来た板、がどれほどのものになるのかって話。
ちなみにこの板、よく見ていただくと、センターにウェッジを配したオフセット3ストリンガー。
巻きには具体的なリクエストをいただいていますが、地味に凝った仕立てを思いついたので仕事が楽しみなんです。