ハルが好きですよね、三井さん、て時々言われますがその通りなんです。一方でお馴染みさんたちは、私があれもこれも好きなのを知ってるので、実は無所属です。
ですので、エッグやフィッシュやロングボードもビッグボードもダウンレールもコンケーブも、波乗り導いてくれる板なら全部好き。

ディスプレイスメント・ハルとそのサーフィンはあらゆるサーフデザインの中でちょっと特殊な、あるいは人によってはクセのあるもののように言われる、と言うよりも思い込まされてることがお客さんたちとお話ししているとちょいちょいあります。

ところが、ずいぶん昔に私が初めてハルの波乗りを楽しい・気持ちいいってでっかいショックを受けたその時、実は波乗りの最もベーシックなメカニズムはまさにこれじゃねえか！、と思い知った。
それ以降、どんなデザインエレメントが用いられている板でも基本的な波乗りメカニズムは同じだから逆にそれらのエレメントにどうフィットするのかをよく理解できるようになる。ちなみに理解するのと見事に操るのは別な話だけど。

いずれにしてもハルのハルらしいところを体験していったんサーフィンにメモリーすると、他のいろいろなサーフデザインと波乗りを共にするとき、動きのディテールに肉付けや強調やらを加えたりすることで違うデザインの波乗りを楽しめる。ちなみに簡単だとか難しいとかいう話は、また別。

そこでまたハルの話に戻すと、私の口癖でよく言う、よくできた板、ここではよくできたハルとは、個人的には感触が濃厚なデザイン・シェイプ。
ふざけるわけじゃないけれど、まあまあハルもあれば、濃厚で超リッチな感触、というものまである中で私はそっち。

今日のこの板、Fantasrtic Acid, 9'2" Melon Yellow と私は名付けている。
と言うのはこれ、特にモデル化されているわけではなくて作者のトリスタンに全てを具体的にリクエストしてシェイプしてもらった板。
ど真ん中モデルであるラウンデッドハルあたりをロングボードサイズにして、各部のコントラストをう〜んと強調したようなものというのが概要かしら。

濃厚ですから、その日の朝こいつで波乗りしていなあと思って、こっちの気分で持ち出しても波との相性がちょいと違ったなんてことはままあるけれど、ハマるとすごいよぉ！

ハル、とても波乗りらしい誘惑です。