今週到着予定!
2021.03.08

いい写真もあるし、なので、ハルのディスプレイスメントな話をおひとつ。

この話は以前にも紹介したし、ショップにおいでになった方にもお話しします。
ハルのボトムがどんな風に水を排出するか。

2枚の写真をよくご覧ください。
掘れたカールのボトムをドライブしているのが、PMHに乗るトリスタン。
頭が落ちてくる波を縦に降ってボトムをヒットしているのがラウンデッドハルに乗るビクター。

210307_TRISTAN_PMH.jpg210307_VICTOR.jpg
近年のボードに最も多く採用されているタックドアンダーレール+エッジ(多くは何かしらのコンケーブを持ちますね)というレールとボトムデザインの板であれば、よりテール寄りの狭いエリアから、しかもより後方に向かってボトムからの水が排出されている様子を見ることが多いはずです。

この2枚の写真、ハルのボトムターンでもちろん波も違うしラインも違いますが、よりボトムの広いエリアのボトムから水が排出されている様子が分かります。
特にビクターの写真では波を縦に降りた後なので、板のボトムから押し出される水のいくらかはボード前方向にすら排出されるのが分かります。

これがディスプレイスメントを表現している様子のひとつです。
だれもがハルのボトムを見て、特にその板の前半分ではまあるいカーブに最初は?、になります。
ボードの推進方向に施されるボトムの丸いパートは、接する水が多ければ多いほど、そしてさらに接して押し出したたくさんの水、水そのものが最も行きやすい方向に向かって排出されるメカニズムです。

その排出する水は板がボトムターンをリリースした直後からは、そのまま板をリフトするフォースに変わります。
ディスプレイスメント・ハルはボトムの多くのエリアを使って水と接し排出するデザインですから、リフトしてくれる水の量がとても多くリフトする力も大きい。
当然それは不思議な無重力感で瞬間移動のごとくの速さで、波の上部に板を運んでくれるのですね。
そこにプラス、とても水を切りやすい形状の敏感なレール(単に尖ってりゃいいってもんじゃあ無い)はサーファーの操作によって板の行くべきラインのフェイスに吸われるようにペネトレートするという仕掛け。

ここのところの不思議な気持ちよさは、ハルのハイライトのひとつですね。

今週届く中には私の実験的な板も入っているし、ぼちぼち寒さもおしまいになりそうだし、ハルのスイートな波乗りにうずうずします。