PAVEL 11'1" Gran Beetle
2020.12.23

昨年デビューした、グランビートル。とあるお馴染みさんのリクエストで生まれた、その名の通りビートルのコンセプトをビッグボードに拡大したモデルです。

本来ミッドレングスでデザインされたビートルがいきなりビッグボードへというアイデアのリクエストは、ちょっと無理があるかもと思いつつリッチに伝えると、思いがけなく"いいねえ、やろうよ"という返事。

リッチの思い描いたプランを元にスペシャルブランクスを手配してシェイプされた板がこれ。

ビッグボードクラス、私はざっくり11フッター以上の板をその範疇でくくっています。
私自身が好きなものだから25年ほど前から、"イレブンクラブ"なんて名付けて全国のお客さんたちに提案し始めましたが、その当時からしばらくの間はビッグボード用にオーダーするボードケースのメーカー・輸入元さんから、日本中でこんなサイズのケースのオーダーが来るのはエムズさんだけですよ、などとよく言われたものでした。

ちなみにイレブンクラブは実体無いんだけど、ふざけてクラブなんて名乗って全国の好き者たちに向けていろいろな提案を発信しました。

今ではビッグボードを手にしてビッグスライドを楽しむサーファーも(例によってマイノリティではあるけど)少しづつ増えてきているようです。

さて、このグランビートル、ビッグボード・マニアのオーダー主の言葉を紹介しましょう。
そのお馴染みさんは、私が提案してきたとてもたくさんのビッグボードたちを所有しサーフするサーファー。

201222_GBT.jpg
この板についてとても印象的なリポートがあります。
"ビッグボードに期待する全てを絶対的ハイレベルで満足させてもらいつつ、あっけないくらい簡単にターンしてコントロールが容易で、いきなり何でも言うことを聞いてくれるんです。ぼく持ってるビッグボードの中でダントツでイージーな板"、と言い切りました。

これ普通なら、あっけなくてちょっとつまらないかも、と思っちゃうところかもしれないけど、ことはビッグボードですからね、事は。
実際、私が多く所有するそれらの中には、というよりもそれらの多くは波乗りの仕方や扱い方に流儀があります。
それが面白い面であるとともに、つまり早い話が簡単じゃあ無い。

PAVELのビッグボードを始めいろいろな作者のそれらを多く楽しむ私も、特にリッチのデザイン・シェイプはひとくくりにグライダーなんて言われがちなこのカテゴリーの板に、とても変化があって違ういろいろな感触やサーフィンをデザイン・シェイプしている板たちを知っています。

しかしですね、グランビートル、ビッグボード・ライダーにこうまで言わせる板、思い当たりません。