ビッグボードねたのついでにちょいと寄り道して、私がキープしているビンテージボードの中からこの板を紹介しましょう。
1964年製のヒンソン・レッドフィン、G&S時代のマイク・ヒンソンの大ヒットモデルです。
ヒンソンさんはこの時期のスーパースターの一人で、この板のリリース後はあちこちのメーカーがこの板をフォローした板が続々と現れ、そのムーブメントからレッドフィン・エラなどと言われました。
これをコピーしたような板、見かけますね。それがレッドフィン・エラがどういう現象だったかを表します。
ロゴの横のオフセット・ストリンガーの上にナンバリングが見えますが、どうも見覚えのある字。
これ、ずいぶん前に手に入れた板ですが、カリフォルニアのある人物のガレージでとても長い年月の間眠っていたものを譲り受けました。
現在からさかのぼれば56年前の板。
聞かされた話ではほんの数回使われただけでしまいこまれて、小さな傷が2〜3ヶ所ある以外は凹みらしい凹みすら見当たらず、ありがちなフィンのチップ傷すらも無い、こういうのをホントにNEAR MINTという。
もともとはデッキのノーズにスリップチェック(当時流行ったオプションで、ノーズライドエリアに施されたが滑り止め)がコーティングされていたのですが、どうしてもストレートな見た目に戻したかったのでそいつをトバしてついでにグロスコートをリフィニッシュしました。
ちなみにうるさいコレクターにはこういうことにやかましい人もいます。私は美しい顔つき優先ですので。
このレッドフィンというモデルは、その初期にはこの板のように長いサイズが多く製作されましたが、後期になると9'台前半の短めなものも多く製作されています。
この時代、ヒンソンさんはスキップさんとともにG&Sの看板ライダーで特にこのモデルは長いサイズを好んだようで、G&Sの親方ラリー・ゴードンさんが9フットちょいちょいの短いのを作って乗ると、そういう短いのに乗るのはイカさない、とかいったなんて逸話も聞かされたことがあります。
ですから私にとっては、レッドフィンはでかくなくちゃイカンかったわけなんです。
とても男前で、ものすごく重たい板、これに釣り合う波乗りは遙か彼方ですな。